印鑑の種類や選び方(実印・銀行印・認印・社印)

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20歳くらいになると何となく親などから使っていない印鑑をもらって、銀行印も認印も一緒くたに使っている人も多いと思います。私もそうでした。

でも、社会人になって結婚して住宅ローンを組むといったときに実印が必要になったり、大人になると色々と印鑑の使用シーンが増えてきます。せっかくですから、きちんとした印鑑がほしいですよね。

印鑑というと、「縁起物」「象牙とか高級そう」「書体はいろいろあるけど何が正しいの?」と、選び方が難しいですよね。ここでは、印鑑の選び方などをまとめています。

印鑑の種類

印鑑と一言で言っても、色々と種類があります。まずは、使用用途による印鑑の種類についてです。

実印

実印はその人個人の意志を証明するための重要度の高い大切な印鑑です。

通常は、住んでいる市区町村で印鑑の印影を実印として登録しておき、書類に押印したときには市区町村で発行される印鑑証明とともに提出します。

実印は、不動産登記、住宅ローンなどを組むとき、何か重要な契約を交わすとき、保険などの受領時などに使用します。

実印を紛失してしまった場合、市区町村に印鑑登録の廃止を届け出て、新しい実印を購入したら新たに印鑑登録を行いましょう。また、市外などに引っ越す場合は、新しい市区町村で印鑑登録をし直す必要があります。

女性は婚姻によって苗字が変わる可能性があるため、名前で実印を作成することもありますが、市区町村によっては苗字が刻印された実印の登録を求められることもあります。

また、実印が押された書類は印鑑証明と一緒に提出されることが多く、印鑑証明は原則として本人しか取得できないものですので、あまりに凝った解読不能な字体のものを選ぶ必要はありません。

あまりに読みにくい書体だと印鑑登録が受け付けられないこともあります。

銀行印

銀行印は、その名もずばり「銀行で使用する」印鑑です。通帳と銀行印があればお金が降ろせてしまいますので、銀行印はとても重要です。

実印や認印などと分けて用意し、保管には十分に注意しましょう。

銀行印はお金に関わる印鑑なので、げんを担ぐ人が多いようです。

上下左右斜めと八方に末広がる事から縁起が良いとされる吉相体で、「上から下へお金が流れていく」ことがないように横彫りにした銀行印が人気です。

認印

認印は、郵便物や宅急便の受け取り、会社での事務連絡の回覧など、日々生活している中で「サイン」として頻繁に使用する印鑑です。

本人が確認したことを証明するための印鑑ですので、読みやすい書体のものを選びましょう。

印鑑の書体

印鑑の印影に使われる書体はいろいろとあります。

種類に応じて書体を使い分けましょう。

ここでは代表的な印鑑の書体について説明しています。

篆書体(てんしょたい)

篆書体は、日本銀行発行のお札に使われている書体です。日本最古の印鑑と言われている漢委奴国王にも篆書体が使われています。見た目にも「威厳があって」「高そう」で「立派そう」な文字ですよね。

歴史のある書体で現代文字とは形状が異なる場合もありますが、偽造しにくいので実印や銀行印などにおすすめです。

印相体(いんそうたい)

篆書体よりも力強く、風格のある印相体は実印や銀行印として1番人気です。開運印鑑の書体は、印相体に接点数・強調箇所を合わせて作られます。

吉相体(きっそうたい)

力強い流れの線が特徴です。上下左右斜めと八方に末広がる事から八方篆書とも呼ばれ、縁起がいい書体とされています。読みにくい書体なので、銀行印におすすめです。実印としては、可読性の低さからまれに印鑑登録が認められない場合もあるようです。

※ 例では印相体と違いがわかりにくいです。すみません。吉相体は印相体をベースに、さらにハネなどを強調させるので、文字によってや彫る人によっては読みにくくなります。吉相体で作られた印鑑で印鑑登録を断られた場合、少し読みやすく作り直してくれるお店もあります。めずらしい苗字の方などは、そのようなお店で実印を作るか、篆書体や印相体を選ぶことをおすすめします。

古印体(こいんたい)

とても読みやすく、筆で描いたような優雅なイメージの書体です。可読性が高く、優しい雰囲気なので認印におすすめです。

隷書体(れいしょたい)

お札の「日本銀行券」や「壱万円」などが書かれているのが隷書体です。読みやすいので現代文字に見えますが、紀元前から続く歴史の古い書体です。文字によっては現代文字と形状が異なるものがあります。左右のバランスが良く可読性が高いので、認印としておすすめです。

楷書体、行書体

シャチハタなどでもよく使われているのでなじみが深いと思います。教科書のような楷書体と筆文字のような行書体は、可読性が高いですが真似されやすいので、認印としておすすめです。

印鑑の材質

印鑑素材としては、象牙が有名ですが、様々な素材が使われています。用途や好みに合わせて選んでください。

高級感のある印鑑 象牙・水牛

印鑑は一生モノですので、高級感のあるものを選びたいですね。歳をとってから「使い込んだ感」がでてくるとさらになじんで愛着もでてきます。

象牙

印鑑といえば「象牙」ですよね。本象牙は耐久性に優れ、朱肉の吸着性もよいため大人気です。

「柘・黒水牛・象牙」は縁起が良い素材としても知られています。開運印鑑としても象牙が多く使われています。

水牛

また、象牙に続いて耐久性に優れた天然素材は水牛です。黒水牛は漆黒が秘密を守る印象を与えるため、特に実印として人気です。

乾燥や紫外線に弱いので、直射日光にあたらない場所で保管しましょう。一方、透明感があってきれいな白水牛は女性に人気ですが、波乱万丈で運気が下降すると言われ、げんを担ぐ人は避ける傾向があります。

リーズナブルで耐久性が良い印鑑 つげ・玄武

印鑑は使っているうちに周りが欠けてしまうと買いなおしたり、印鑑登録をし直したり、それに伴って契約書を訂正したりしなければならなくなって面倒です。リーズナブルで耐久性が高い印鑑素材としては、次のようなものがあります。

つげ

象牙や水牛よりもコスト面で優れ、長期間の使用でも欠けなどが少ない素材として、つげも人気があります。

つげといえば櫛(クシ)というイメージがありますよね。女性らしさを感じる天然素材です。

つげは、木製の印鑑としてはかなり古くから使用されており、薩摩本つげは最高級品とされています。

玄武

玄武印鑑は、バーチ材を高圧加熱処理して作られます。木材よりも数倍強く、耐久性に優れているので、長期間使用してもひび割れが少ないと言われています。

実印としてもおすすめですが、使う機会が多い認印としてもおすすめです。

女性に人気の印鑑 琥珀・彩樺・天然石

女性は結婚などにより苗字が変わることもあり、耐久性などよりも美しい印鑑を選ぶことが多いようです。素直に自分の気に入ったものを選びましょう。

琥珀

琥珀は、数千万年以上も前の樹脂が化石化したものです。琥珀は「人魚の涙」や「太陽の石」ともよばれ、その美しさから女性にも大人気の印鑑素材です。

琥珀は天然の模様が美しい素材ですが、1つ1つ模様が異なるので自分で実際に見て気に入ったものを選ぶ方がおすすめです。

琥珀に限っては、通販で送られてきたものが「思っていたよりも模様が少ない」「色味が気に入らない」ということもあります。印鑑は基本的には交換不可なので、じっくり選びましょう。

彩樺

彩樺は、木目がきれいで女性に人気です。耐久性にも優れているのでおすすめです。

黒いタイプの彩樺もありますが、せっかくならば木目がしっかりしたものがおすすめです。

天然石

自分に合ったパワーストーンを持ち歩いている方も多いですよね。水晶、アメジスト、ローズクオーツなど、天然石を使った印鑑もあります。お気に入りを見つけたいですね。

ローズクオーツはかなり女子力高い印鑑です。持ち歩きたくなるかわいさなので、認印としておすすめです。アメジストは高級感がある印鑑になります。

とにかく丈夫な印鑑 チタン

契約書への押印が多い社印は、とにかく欠けなどがなく丈夫なのが第一です。丈夫さでいうとやはりチタンが人気です。

チタン

チタンはとても耐久性が高く、欠けなどもありません。チタン以外の印鑑は、落とすと欠けてしまう恐れがあります。様々な契約書で実印を使う法人では、チタンを選ぶことが多いようです。デザイン的にもシャープでかっこいいです。

印鑑をプレゼントに!

私の母は父以上に立派な高そうな印鑑セットを持っていて、よく父に「俺以上に金持ちそうなハンコだな。」とからかわれていました。

最近、私は結婚して新しい苗字の印鑑が必要になりました。

それほど多くはない苗字なので既製品としては置いていないため、せっかくならばと少し奮発して、材質や字体などもこだわった実印・銀行印・認印のセットを作ってもらいました。

できあがった印鑑を見て、しみじみと新しい苗字になった重みや、一生大切にしていこうという結婚生活に対する一種の決意のようなものが湧いてきました。

母は結納の席で「準備して待っているから早くお嫁においで」と印鑑セットをいただいたのだそうです。

実は結婚は2度目です。よくよく考えてみると、1度目のときはそこらへんで適当に買った500円くらいのハンコを使い、銀行印も認印もどれがどれだかわからないような状態でした。

ドタバタとして、自分でも結婚しているという実感があまりなかったように思います。

必要に迫られて緊急にという場合もありますが、印鑑を作るときは、たいていは成人・就職・結婚など、何かの節目であることが多いと思います。記念のプレゼントというと、時計や身に着けるものなどが多いですが、自分ではあまり気づきにくいけれど一生大切にお付き合いすることになる印鑑を贈るのもいいのではないかなと思います。

自分で買おうとすると、「そこらへんで適当に安いものを」探してしまいますが、人からいい物をいただくことで、新しい生活への覚悟や決心のようなものが生まれてくるのではないでしょうか。

印鑑の選び方 結論

印鑑を購入するときは、次のようなことをポイントに選びましょう。

  • 銀行印と認印は別に用意する
  • 就職や結婚のタイミングで実印も準備。居住地の役所に実印登録も忘れずに
  • 印鑑の材質はお好みで。社印は欠けにくいチタンがおすすめです
  • 印鑑の字体は、認印は読みやすいものを選びます。銀行印は縁起が良い吉相体や印相体がおすすめ。
  • 実印はあまりに読みにくいと印鑑登録できない場合があります。印相体などがおすすめです。吉相体などを選ぶ場合は彫り直しをしてくれるお店か、あらかじめイメージを提示してもらうと安心です。

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