震災の体験からオススメの防災グッズなどをご紹介します
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大きな地震に備えて防災グッズを用意している人も多いと思います。今回は実際に北海道で被災した方が自分の体験をもとに必要となるグッズを紹介してくれました。ぜひ参考にしてください。
北海道の震災や被災地の状況
日本は地震大国。
そうは言っても自分が住んでいるのは「北海道」です。
今後30年以内に70%の確率で大地震が起こると予想されている地域から程遠い場所にあり、比較的地震が少ないと言われていました。
そのため、どこかで「自分は被災しない」という甘さがあったと思います。
それが大きく覆されたのが、9月6日午前3時8分に起こった「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」です。
地震直後の様子
今回の地震では、震源地の厚真町で北海道初となる震度7を観測。
私が住む地域は震度5程度でしたが、緊急地震速報がスマホから鳴ったと同時に激しい縦揺れが起こりました。
すぐに寝ていた部屋を飛び出ましたが、建物全体が弾むような凄まじい揺れに階段を下りることができませんでした。
揺れが収まったのを見計らって何とか1階に下りると、あれだけ大きな揺れだったのにも関わらず、食器棚の中でコップがいくつか割れていたのと、オーディオ周辺機器が落ちて観葉植物が倒れていた以外、特に大きな被害はありませんでした。
とりあえず我が家の被害の状況を確認した後、テレビを付け地震の情報を得ました。
と言うのも、北海道で起こる地震の多くは海溝型(※)であり、地震そのものよりも津波の心配の方が強いからです。
そのため、数分後に画面に「津波の心配はありません」というテロップが出て、家族で安堵したのですが、それも束の間、今度は北海道全域が停電するという前代未聞の事態へと陥りました。
※北海道胆振東部地震は内陸直下型です。
停電の復旧の見通しが立たないことを知る
その後、もう一度緊急地震速報と同時に縦揺れが起こりましたが、この時も自宅が傾くなどの被害はなく、白々と明るくなり始めた空を見ながら、すぐに復旧すると思っていました。
この時点では、まさか北海道全域が停電しているとは夢にも思っていなく、事の深刻さをわかっていなかったのです。
ところがスマホのニュース配信で、北海道全域が停電していること、北海道の多くの電力を担う厚真火力発電所のある厚真町が震源地であること、これにより復旧の目途が立たないことを知り、途端に焦り始めました。
電気が通らないということは、やがて水も使えなくなるかも知れないと思った私は、お風呂の浴槽に生活用水を、空いたペットボトルに飲用の水を確保しました。
結果的に断水にはならなかったのでこれらは必要ありませんでしたが、水の準備があるのとないのとでは気持ちの安心度合いが違うと思います。
食料などを求めてスーパーは長蛇の列
地震から3時間ほど過ぎた頃外に出てみると、信号が止まっていましたが、近くのコンビニは開いていました。
レトルトのカレーやおかゆ、缶詰、カップラーメンなどはすでに売り切れていましたが、飲み物と携帯補助食品はまだ売っていたので、当面の空腹しのぎのために買いました。
その後、スーパーとドラッグストアが開く時間になったので行ってみると、そこには先頭が見えないほど長く伸びた人の列がありました。
頭上にはヘリコプターが飛び、救急車や警察車両が目の前の道路を何台も走り抜けていきます。
テレビの災害被災地の中継で見掛ける光景が広がっており、ここで初めて自分達がその当事者となったことを思い知りました。
とは言え、私の住んでいる地域は震源地に近いわけではないので、ニュースで見るような倒壊した家やマンホールが突き出た道路といった被害は一切ありません。
それでも、未明に起こった大きな地震に対する恐怖や、これからどうなるのか不安を抱えた人たちには笑顔はありませんでした。
停電したまま迎えた夜
結局停電は復旧せず、そのまま夜を迎えることになりました。
我が家には幸いにしてLEDライトがあったので、真っ暗闇の中過ごすことは免れましたが、それでも余震が来て外へと避難した時に、街中の灯りが消えて静まり帰った様子は大人でも不気味でした。
周囲が見通せる昼間に比べ、夜は不安が何倍にも増幅します。
しかしその時、子どもが空を見て「星が綺麗」と呟きました。
北海道の中でも田舎の方に住んでいるため、日ごろから星は見える方ですが、それでもこの時見た星空は圧巻の美しさでした。
後程SNSで見たのですが、この日は多くの人が空を眺めていたようで、特に大都市である札幌や旭川に住む人は星の眩さに感動した様子を残しています。
震源地に近い被災者は星を眺めている余裕なんてなかったかも知れませんが、緊張が続く中でほんの一瞬でもそんな時間を持てたことは、落ち着きを取り戻すよい切っ掛けとなった人も多かったと思います。
震災時に便利なグッズ
停電は、地震から2日目の夕方になる頃には復旧が始まり、北海道内各地に住む友人や親戚から「電気が通った!」と連絡が来ました。
我が家も暗くなる前に電気が点いたので一安心でしたが、短い間だったとは言え大きな地震の被災者となったことで、地震に遭った時にこれがあると便利だなというものを身を以て経験することとなりました。
そこでここでは、備えておいてよかったものをご紹介したいと思います。
手回しラジオ(乾電池もつかえるもの)
地震によって停電が起こると、テレビやパソコンから情報を得ることができなくなります。
そうなるとスマホが頼りになりますが、私の場合スマホは地震発生の夜から繋がりにくくなり、翌朝はほとんど繋がらなくなりました。
このような時、ラジオの存在はとても重宝すると聞きます。
我が家も災害に備えて手回しで使えるラジオを常備していたのですが、内蔵電池がないタイプだったのでラジオを聞く時はずっと手回ししなければいけないのが大変でした。
この経験から、災害に備えてラジオを準備する場合は、手回しで充電もでき、なおかつ乾電池式のものを選ぶのがよいと思いました。
これだと万が一電池が使えなくても、情報を得ることができます。
懐中電灯(ペンタイプ)
我が家はペンタイプのLEDライトを使っていましたが、小さいので持ち運びしやすく、家族分用意してもかさばらないので重宝しました。
ちなみに我が家のお隣さんは、ランタンを懐中電灯代わりに使っていました。
シガーソケット充電
自動車のシガーソケットに差し込んで充電ができます。
ガソリンが十分に入っていることが条件ですが、私はこれでスマホの充電を行うことができました。
停電時はスマホの充電が切れてしまうのがとても怖かったので、充電ができる状態にあったのはよかったと思います。
モバイルバッテリー
我が家では準備していなかったのですが、今回の地震であると便利だと思いました。
モバイルバッテリーは常に使える状態にしておくことが大切なので、購入後は使わなくても定期的に充電をしておきましょう。
また、1台よりも複数持っている方が不安な気持ちが軽減します。
乾電池
地震後、コンビニやスーパーから真っ先になくなったのが電池でした。
我が家にはある程度あったので必要としていませんでしたが、列に並んで電池を買い求める人の中には切羽詰まった様子の人もいました。
なお、電池には使用期限があるので、期限が迫ってきたら使用し、新しい電池に買い替えておきましょう。
カセットコンロ
今回の地震で、本当にあってよかったと思ったのはカセットコンロでした。
調理が可能なので、冷蔵庫の食材を捨てずに食べ切ることができました。
また、鍋でご飯が炊けるのもとても助かりました。
ただし、カセットボンベが3本しかなく、地震後はどこも買えなかったので、もう少し用意しておいてもよかったと思います。
ウォータータンク
我が家では12リットルのウォータータンクを常備していますが、飲み終わった後のおペットボトルを綺麗に洗って保存しておけば水の確保に役立ちます。
また、強度のあるごみ袋もいざという時に水を溜めておくことが可能です。
なお、今回の地震は暑さのピークが過ぎた北海道だったこともあって、熱中症で運ばれる人はいなかったように思いますが、水があれば1ℓあたり砂糖大さじ4杯と1/2、塩小さじ1/2杯で経口補水液が作れるので、気温の高い地域では覚えておくとよいかも知れません。
汗拭きシート
たった1日でしたが、お風呂に入れない代わりに汗拭きシートで体を拭くだけでも気分がリフレッシュしました。
また、メイク落とし用のシートもあると便利だと思います。
赤ちゃんがいるご家庭なら、お尻拭きが多めにあると体を拭く時にも使えます。
ナプキンやおりものシート
我が家は常にストックしていたので安心でした。
後に東日本大震災を経験した人が、長くお風呂に入れなかった時におりものシートを変えることで同じ下着で過ごすことができたと言っていたので、多めにあると安心だと思います。
トイレットペーパー
トイレットペーパーが切れてしまうと、いくら水が流れてもトイレを使うことができないのでストックはあった方がよいでしょう。
また、トイレットペーパーはティッシュペーパーの代わりにも使えます。
なお、ティッシュペーパーはトイレに流すことができません。
お菓子
食べ慣れているお菓子は、大人よりも過敏な子どもにとって日常を取り戻す安心材料だったようです。
特に小さなお子さんがいるご家庭は、好物のお菓子を常備しておくことをお勧めします。
缶詰やカップラーメン
今回地震に遭って、カセットコンロで炊いたご飯と缶詰があれば、食事についてはしばらくは大丈夫そうだと思えました。
実際に大丈夫かどうかはわかりませんが、「大丈夫だ」と思えることで落ち着いて対処することができ、無駄な買い占めなどを防ぐことができると思います。
また、加熱調理の必要のないレトルト食品もあると心強いと思います。
なお、カップラーメンはお湯ではなく水でも食べられることをご存知ですか?
調理時間は長くなりますが、お湯がなくても食べられることを知っておくと安心ですよ
現金
停電するとお店のレジが使えなくなるので、支払いはすべて現金になります。
我が家の場合はたまたま近日中に必要な分を持っていたのでよかったですが、手持ちの現金がない人はとても困ったと思います。
カイロ
今回の地震がもし冬だったら・・と考えると、今でもゾッとします。
寒さに備えることも大切だと思い、カイロを常備しようと思っています。
灯油ストーブ
灯油ストーブであっても、電気を使用しているものは停電時は使えませんが、電池式のものなら停電時も使えます。
ただし、排気などの問題があるため、使用時には十分に注意をする必要があります。
トランプやボードゲーム
防災と直接関係はないかも知れませんが、テレビもスマホも使えない中で自宅で地震が収まるのを待つ間、子どもとの時間潰しにトランプやボードゲームを行いました。
地震後に友人家族に聞いても、みな同じようにゲームをして過ごしていたそうです。
被災すると、大人でも苦痛な時間を過ごすことになりますが、子どもにかかる負担はそれ以上です。
呑気に・・と思うかも知れませんが、幸いにも自宅が被災しなかった我が家では子どものストレスをできるだけ取り除くためにゲームの存在は有難かったです。
ストレス対策のビタミンCやアロマオイルなど
どうしてもという訳ではありませんが、ビタミンCやアロマオイルなどはストレスの軽減に役立ちます。
その他にもご自身のストレス対策のグッズなどがあれば、用意しておくといいでしょう。
まとめ
北海道でこれほどの地震が起こるとは思ってもみませんでした。
自分なりに防災グッズを用意しておいたつもりですが、実際に被災してみると不足しているように感じました。
今後のことを考慮して、私自身もしっかりと備えをしておきたいと思います。
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