化粧品にも応用!クロ現でも扱ったセルロースナノファイバーの威力!

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セルロースナノファイバーとは、国をあげて研究が勧められている夢の新素材なのです。軽くて丈夫。クローズアップ現代でも取り上げられたこともあり、そんな素材が次第に注目されています。強度だけでなく、その性質から化粧品などへも応用されるようです。そんなセルロースナノファイバーをご紹介します。

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セルロースナノファイバーとは

GU196_L夢の素材と言われるセルロースナノファイバーですが、いったいどのようなものなのでしょうか。

セルロースナノファイバーは、植物のパルプから抽出されるもので、太さ10億分の3ミリほどの「セルロースミクロフィブリル」という繊維の抽出物を液体やシート状に加工した材料を言います。

この研究の第一人者が東京大学の磯貝明教授で、磯貝教授は、このセルロースミクロフィブリルという繊維を植物から、化学反応を使って、効率良く抽出する方法を見つけ出し、量産への道筋を付けたのです。

この分野では日本は世界をリードしていて、国をあげて研究を勧めいています。東京大学の磯貝教授ら3人は「マルクス・バーレンベリ賞」という、森林分野のノーベル賞といわれる賞を2015年9月に受賞しました。

このセルロースナノファイバーの強度は、鉄よりも強いもので、しかも軽いのです。具体的にいうと、鉄の強度の7〜8倍で重さは1/5となります。また、ガラスの1/50の熱膨張ということです。

どのような製品に使用されるのか

セルロースナノファイバーの実用化は現在進んでいるところです。セルロースナノファイバーは植物から作られることから環境負荷がとても少なく、クロ現に出演していた京都大学矢野教授の話では、口にしたとしても害はないようです。

また、鉄より強くて軽いといったころから、様々な分野での応用が期待されていて、特に森林資源が豊富な日本においては原料の調達を簡単に行えるという利点があります。

市場規模も2030年には1兆円に達するとの試算もあるようで、各分野で研究開発を勧めいている状況です。

軽くて丈夫なことから、金属製品などとの代替が可能であり、飛行機やロケットの部品、自動車の部品、家電などで応用されることが考えられますが、現在、実用化を勧めているのが製紙会社です。

製紙会社での活用

セルロースナノファイバーは、紙と同じパルプから作られるため、製紙会社はセルロースナノファイバーの活用に有利な状況にあるようです。日本製紙クレシアはセルロースなのファイバーを活用して、消臭機能を従来の何倍に高めた大人の紙おむつを販売しています。

また、王子ホールディングス三菱化学とともに、セルロースナノファイバーを活用した透明のシートを作成しています。薄い上に折り畳めて、高温でも縮小しないことから、太陽電池やディスプレイにも使用できると期待されています。

その他、製紙会社では、中越パルプ工業や大王製紙も大学などの研究機関と開発を行っていて、今後、一層の普及が期待されています。

その他

DF187_Lその他の日用品への応用も可能で、三菱鉛筆はセルロースナノファイバーを使用した書き味のいい水性ボールペンを海外で販売しています。

今後、最もセルロースナノファイバーの利用で期待されているのが、化粧品での使用です。

セルロースナノファイバーを水に溶かすと、2つの特徴が現れます。一つは、粘り気(粘性)で、もう一つが分散(安定性)です。

粘り気・粘性

セルロースナノファイバーは濃度が1%以下の時に、何もせずに静止した状態では固形のジェル状ですが、それを振ったり圧力を加えたりすると、瞬時にサラサラの状態になるのです。

この特性を利用すれば、さっとスプレーできるが、肌の上ではしっかりと吸着するような基礎化粧品ができたり、例えば吹き付けるだけで定着し、しっかりと保湿できるスプレーマスクのような美容マスクも作ることができるようです。

崩れない基礎化粧品や美容マスクなど、新しい製品を生み出すポテンシャルを秘めているのです。

分散・安定性

セルロースナノファイバーは、水中で他の成分と絡み合い、均一に分散していきます。この特性を利用することで、ダマにならないサンオイルやファンデーションなどを作ることができるのです。

問題点

夢の素材であるセルロースナノファイバーですが、現在も開発途中であり、更なる技術革新が必要となるようです。また、研究開発の途中ですので、現在はコストがまだ高いということも課題です。

化粧品業界においても、化粧品のサンプルなどができている状態ですが、他のものよりも原料が割高になるという状況もあり、今後の普及状況によりコストが改善されることが期待されます。


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