ふるさと納税をしっかりと確定申告しましょう!
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ふるさと納税でお肉などをもらった人もいるのではないでしょうか。まるでネットショッピングのような「ふるさと納税」ですが、しっかりと手続をしないと、住民税から控除されません。少し面倒ではありますが、今後も毎年ふるさと納税をするために、手続を憶えてしまいましょう!
ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、本来納めるはずの住民税を、現在住んでいる市町村以外の場所(ふるさとのような場所)に納めることを目的として、創設された制度で、ふるさと納税した額は、そのほとんどが住民税から控除されます。
こうすることで、実質的に自分の納めたい市町村へ住民税を納めることが可能となっているのです。
ふるさと納税がしっかりと住民税から控除されているか。手続や確認方法はこちらをご覧ください。
ふるさと納税の本来の意味
地方に住んでいたけど、都心で就職して働いているという人は多いのではないでしょうか。
お盆やお正月に帰省ラッシュが起きますが、田舎はあるけど住んでいるのは都心という人が多いということです。
住民税は現在住んでいる市町村に納税するものですが、自分を育ててくれた市町村に対して恩返しがしたい、ふるさとに少しでも納税したい、そういった思いを制度化したものなのです。
そのため、ふるさと納税した金額はそのほとんどが住民税から控除されることになります。
ただし、住民税は住んでいる街で受けている住民サービスなどに対する対価、会費といった性質の税金ですので、過度にふるさと納税が増加していくと、現在住んでいる市町村の住民サービスが低下することになります。
最近のふるさと納税の状況、加熱するふるさと納税の裏側
ふるさと納税といえば、おいしいお肉や魚介類、お酒、家電などがもらえるということで、ふるさと納税をする側としては、本当にうれしい状況になっています。
どうして、このようなことになるのでしょうか。お肉などをお礼に配る市町村は損をしていないのでしょうか。
ふるさと納税をする側からすると、実際に寄付した金額は10,000円だったとしても、実際に負担するのは2,000円であって、残りは住民税から控除されることになります。
では、ふるさと納税を受ける側の市町村はどうでしょう。
ふるさと納税を受ける側からは、お肉などを5,000円程度で仕入れて、10,000円の寄付をもらえらば、当然儲かることになります。
ふるさと納税をする側からは、2,000円で5,000円のお肉がもらえて、ふるさと納税を受ける市町村は5,000円の仕入れで10,000円のふるさと納税を受けることができるわけですから、両方とも得するのです。
損しているのは誰?
もちろん、損しているところもあります。それは、ふるさと納税をする人が住んでいる市町村になります。
本来は収入となるはずだった、ふるさと納税分の住民税がなくなってしまうのです。
ふるさと納税は市町村の戦略!
小さな市町村では、人口も少なく、税収も少ないという状況です。そんな中で、市民と役所が協力して、お肉やお酒などを、ふるさと納税してくれる人にお礼するというのは、ある意味戦略でもあります。
市町村によっては、10億円という単位でふるさと納税が入っています。こうして、ふるさと納税の奪い合いという、加熱競争が生まれているのです。
逆に都心部の市町村では、10億円の単位で住民税が減収となっているようです。
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ふるさと納税はいくらまで?
ふるさと納税した額は、住民税から控除されるのですが、ふるさと納税した金額がそのまま住民税から全額控除されるというものではありません。
少し複雑なのですが計算式があって、その計算式に当てはめると、ふるさと納税の金額が算出されます。
基本的に、収入に応じてふるさと納税の控除額が決まってきますので、その上限額を超えないようにふるさと納税を行うことが大切です。
上限の金額を超えてしまうとその分は自己負担ということになりますので、注意してください。
なお、ふるさと納税した金額のうち、2,000円分はかならず自己負担額になります。
ふるさと納税の控除額の計算式
ふるさと納税した分がちゃんと税金から控除されるのかどうか。計算式は次のとおりです。
所得税からの控除額=(ふるさと納税額―2,000円)×所得税の税率
住民税からの控除額(①基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
住民税からの控除額(②特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
上記の3つの合計額が控除される額となります。
また、概ねの目安が下の表になります。
ご自分の家族構成や収入金額などに照らし合わせて、いくらまでなら、ふるさと納税した金額が住民税から控除されるのかがわかります。(この表は総務省が示している参考の表です。)
なお、住宅ローン控除や医療費控除等、控除を受けている人の場合は、上限額が異なってきますので、注意してください。
具体的な計算はお住まいの市区町村に問い合わせてください。
ふるさと納税に関する税金の手続には2種類ある
ふるさと納税を行った分は、しっかりと手続をして、所得税や住民税から控除してもらわないといけません。
その手続には、2つの方法があります。一つはワンストップ特例という制度、もう一つは確定申告になります。
それぞれ、手続きの方法が異なりますので、ポイントを説明します。
ワンストップ特例
ワンストップ特例の条件に当てはまる場合は、確定申告の手続きを行わずに、ふるさと納税した額が自分の税金から差し引かれることになります。
ワンストップ特例の条件とは次のとおりになります。
- ふるさと納税を行う自治体の数が5つ以内
- ふるさと納税を行う際にワンストップ特例の申請書を提出している。
- もともと確定申告をする必要がない。
ただし、この制度は2015年4月からの制度となりますので、それ以前にふるさと納税をした場合には、ワンストップ特例は適用されませんので注意してください。
ワンストップ特例が適用されると、確定申告を行う必要がありませんので、通常の年末調整を行っていれば問題ありません。
確定申告をする必要が生じた場合は、全てのふるさと納税の額を確定申告書に記載します。
確定申告
ワンストップ特例をせずに、確定申告をする人については、ふるさと納税を行った際に、その自治体から送られてきた寄附金受領書を使用して確定申告を行います。
寄附金の受領書は、税務署で申告する場合や郵送で確定申告書を送付する場合は、原本を付けて送付することになります。
e-taxを利用して確定申告する場合は、領収書を手元に保管しておく義務がありますので、注意してください。
ワンストップ特例の申請書を送付しても確定申告はできるの?
当初は、ワンストップ特例を行うつもりだったけど、後から医療費控除も申告することになった人など、途中で予定が変更になって、ワンストップ特例の条件から外れた人もいると思います。
その場合は、確定申告をする際に、ふるさと納税についても全てを記載するようにしてください。
一部の自治体にワンストップの申請書を送付していても、その分も含めて確定申告するようにします。
また、ワンストップの申請書を送付したか忘れてしまったなど、不安に思ったら、確定申告をした方がいいと思います。
確定申告は所得税や住民税の最も基礎的な資料で、その内容が最優先で扱われることになります。したがって、心配だったら確定申告をすることが大切です。
確定申告のやり方・方法
ワンストップ特例でなく、確定申告をする場合、国税庁のHPを利用するととても便利です。
マイナンバーの個人認証があればe-taxを利用して電子申告することができます。
また、そうでなくとも国税庁のHPで手順どおりに入力していけば、確定申告書ができあがって、印刷することができますので、それを税務署に提出すればいいのです。
少し手間はかかりますが、ぜひトライしてみてください。
まとめ
ふるさと納税は、本来、自分の故郷にも納税したいという、故郷を思う気持ちを制度にしたものです。
今では、市町村間のふるさと納税競争となっていますので、庶民にとっては、おいしいお肉やお魚、お酒などを無料同然でいただける嬉しい状況になっています。
ただし、ふるさと納税はワンストップ特例制度の活用や、確定申告をするなどして、しっかりと住民税から控除してもらう必要があります。
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