門松や鏡餅などお正月の飾り付けはいつからいつまで?その意味とは?

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門松や鏡餅、しめ飾りなど、新年を迎えるにあたって飾り付けをすることはとても大切なことです。でも、いつからいつまで飾ればいいのか。飾り付けはどのような意味があるのか。知っている人は少ないのではないでしょうか。日本の伝統をしっかりと理解しましょう。

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門松とは

門松

門松とは、その名のとおり、家の門に松を飾ることをいいます。もともとは、中国の唐で行われていた習慣で、松は生命力の象徴であり、長寿を願うものと言われることから、それを家の前に飾っていたようです。

日本においては、唐から入ってきた平安時代を起源として、室町時代には現在のような習慣となり、鎌倉時代にはかなり広範囲に広まっていったと考えられています。

松は「まつ」という音からも、神様を「祀る」木といわれ、神様が宿ると言われています。また、年神様が門松を目指してやってくると言われることからも、とてもおめでたい樹木であり、お正月に飾られることが習慣となりました。

門松の飾り付け・置き方

門松は、家の門の前に立てるため、立て松などとも呼ばれます。

門松の飾り付けは松が中心なのですが、どちらかというと、竹の方が目立ちます。松に竹を加えるようになったのは、鎌倉時代のころからのようです。

門松の竹は斜めに切った「そぎ」というものと、真横に切った「寸胴」の2つのタイプに分けられます。

現在では、「そぎ」の方が目につくと思いますが、元来は寸胴が主流だったようです。

「そぎ」の起源は、戦国時代に徳川家康が戦に破れた相手である武田信玄に対して、敵意を込めて竹を斜めに切った門松を使用したのが最初と言われています。

現在の形の門松の正しい形は、竹を3本使用し、その3本の竹を中心として短い若松を植えます。そして、むしろで包み、荒縄で3箇所を縛ります。

荒縄で結ぶ3箇所は七五三といい、下の方から七巻き、五巻き、三巻きという風に縛り、その縛り目を外側に見せます。また、門松は門に対して、左右に一つずつ立てますが、雄松と雌松を1つずつ使用します。正面から見て右側に雌松を立て、左側に雄松を立てます。

門松の簡易な飾り付け

マンションなどでは、しっかりとした門松をドアの外側に置くことは難しいと思います。廊下は共用部分ですし消防法などに引っかかる可能性もあります。

そんな時は、松の枝を2つ買ってきてドアの左右にそっと飾るというのがいいでしょう。

近所の花屋さんをのぞいてみてほしいのですが、松の枝が大きいものから小振りなものまで売っています。年によっては松に松ぼっくりが付いているものもあります。なかなかかわいいですよ。

門松はいつから、いつまで飾るのでしょうか

門松だけでなく、お正月の飾り付けは基本的に門松と同様の期間に飾ると考えてください。

門松・お正月の飾り付けの飾り始め

門松やお正月飾りの飾り始めの時期には、いわれがあります。しっかりと憶えておきましょう。

  • 12月13日は、お正月の準備を始める日とされ、この日から松の内に入ります。以前はこの日に門松を作るのに必要な木を山へ取りに行っていました。門松の飾り付けも12月13日以降であればいいとされています。
  • ただし、12月29日は「にじゅうく」日であることから「二重苦」といったり、年の最後の「9」の付く日であることから、9の末日であり、「くまつ」から「苦待つ」といったりしますので、この日は避けるようにしてください。
  • また、12月31日に飾り付けを行うことは、「一夜飾り」などと言って、お正月を迎える直前に神様を迎える準備をすることから、神様を軽んじていることになりますので、注意してください。
  • したがって、12月13日から12月28日の間に、お正月の飾り付けをするようにしましょう。

門松の片付け

門松を始め、お正月の飾り付けは松の内である1月15日まで行うのが適当とされています。

ただし、近年では1月6日や7日までを松の内として、その頃に片付けることが多くなっています。

この辺りは、地方の習慣などによっても異なるようですので、親御さんなどに確認するといいでしょう。

鏡餅について

鏡餅

鏡餅とは?

鏡餅とは、丸い形の餅を重ねたもので、その上にだいだいを添えるのが一般的です。「お重ね」、「お鏡」とも呼ばれています。

鏡餅の名称は、古代から神事に使用している三種の神器の鏡に形が似ていることによります。

鏡餅自体は、平安時代からあったことがわかっていますが、鏡餅を、お正月に床の間に飾るようになったのは、室町時代といわれています。銀閣寺で有名な書院造りの和室にある床の間から次第に習慣として、広まっていったようです。

お正月とお餅の関係

お正月には、当然のようにお餅を食べていますが、そもそもそれはなぜでしょうか。

平安時代には、長寿祈願や健康、安全などを願って、正月に「歯固めの儀」という儀式が行われていました。そこでお餅を食べていたことから、お正月にお餅を食べるようになったようです。

源氏物語には次のような箇所があり、年のお祝いに鏡餅があったことがわかります。

ここかしこに群れゐつつ、歯固めの祝いして、餅鏡さへ取りよせて、千歳のかげにしるき年の内の祝い事どもして、そぼれあへるに

お餅は神様にお供えする食べ物として、平安時代の前から伝えられていますので、お正月という年神様を迎える日にお餅を食べるということは、当然の行いともいえるのです。

また、米や稲は古代から日本に根付いていたもので、稲作によって日本は発展してきました。稲作中心の文化であったことから、稲や米は神聖なものとして扱われてきたのです。

米は基本的に一年に一回の収穫になりますので、稲作にはとても長い時間がかかり、そこには魂や霊力のようなものが宿るといいます。したがって、そのお米を食べるということは、その力にあやかることにもなるのです。

鏡餅の作り方

最近では、鏡餅はスーパーなどでも、簡易なものが売っていますが、本来は飾り付けには、きちんと作法があります。

一般的には、鏡餅の台には三方を使用します。三方の上に半紙2枚を敷き、その上に「うらじろ」と「ゆずり葉」を置きます。

その上に大きな丸いお持ちと、それより少し小さな丸い餅を重ねます。そして、お餅の上にだいだいを飾ります。

三方はない家が普通だと思います。その場合は三方は使用せずに飾り付けをしたり、だいだいではなく、葉のついたみかんをだいだいの代わりに使用しても構いません。

また、餅の上に干しするめ、昆布、串柿などを飾ることもあります。地域によって飾り方などは異なっています。

「だいだい」と「みかん」の違いとは?

だいだいは、植物の種類としては、みかんととても近いものですが、同じものではありません。

だいだいは、ビターオレンジやサワーオレンジと呼ばれ、主に正月の飾り用として使用されます。味としては、ビターやサワーというように、苦味と酸味が強く、食用という感じではありません。

一方、みかんは温州みかんのことをいいます。産地としては、鹿児島、愛媛、和歌山などで作られていて、冬にはおなじみの食べ物です。漢字では「蜜柑」と表記し、漢字に甘いという意味が含まれているように、味は甘く食用に適しています。

飾る場所

室町時代の書院造りのように、鏡餅は床の間に飾ることが好ましいと言われます。現在では床の間がある家は少なくなってきましたので、玄関などに置く場所がれば置いてもいいでしょう。

また、スーパーなどでは、パックに入ったものや、かなり小さな鏡餅も売っていると思います。そういうものは、個人個人が部屋の中などで飾ってもいいでしょう。

鏡餅はいつ飾るの?

お餅をついて鏡餅を自分で作る場合も、購入してくる場合も、12月28日までに飾っておくようにしてください。8の付く日は縁起がいいとされていることによります。

逆に29日に飾るのはよくありません。9が付く日は「苦」ということになるからです。

また、31日に飾ることは、門松と同様に一夜飾りと呼ばれ、神様に対する気持ちに欠けることとなり、よくありません。

鏡餅はいつまで飾るの?(鏡開き・鏡割り)

鏡餅は松の内は飾っておき、その後に鏡開きを行います。

通常、松の内は1月15日ということになりますが、1月7日までを松の内として、1月11日に鏡開きを行うのが一般的です。

1月15日までを松の内としている地域では、1月20日に行われることが一般的です。また、京都では1月4日に鏡開きを行います。

鏡開きとは?

鏡開きはなぜ行うのでしょうか。

お正月は、年神様をお迎えするものとして、様々な行事や飾り付けをします。鏡餅もその一つです。

年神様は新しい年にいろいろなものに宿ります。鏡餅にも年神様は宿りますので、それを鏡開きで食べて、自分自身にも年神様をお迎えするという意味があるのです。

また、年神様に備えたものを、松の内が終わったら食べるというのは、神様に対する感謝の気持ちを表すことでもあり、今年一年を安全に健康で災いなく過ごせますようにと、願う気持ちが込められています。

なお、鏡開きは、刃物を使用して切ったりしてはいけません。それは年神様が宿っているということもあり、また刃物で切ることは切腹などに通じる意味が出てきますので、木づちなどで叩いて割るようにします。

開いたお持ちは、お汁粉などにして食べるのが一般的です。

しめ飾りについて

しめ飾り

しめ飾りはお正月には欠かせない飾りです。しめ飾りにはどのような意味があるのでしょうか。

しめ縄について

しめ飾りの前に、しめ縄についてお話します。しめ飾りというのは、しめ縄に飾り付けをしたものになります。

しめ縄は神様をまつる神聖な場所であることを示すという役割があります。その起源は、天照大神の神話にあり、天の岩戸に入ってしまった天照大神をそこから出した後に、再び岩戸に入らないようにと、「しりくめ縄」で岩戸を塞いだと言われています。

この「しりくめ縄」がしめ縄の起源になっていて、しめ縄を付した場所は境界線のような意味をもち、神聖な場所として、その中に災いが入り込まないように、という意味があるのです。

したがって、神事を行う際などには、しめ縄を使用することとなります。また、新年を迎えるにあたって家の玄関などにしめ縄を飾る家があると思いますが、このしめ縄によって家の中に災いが入らないようになるのです。

しめ飾りの飾りつけ

しめ飾りは、しめ縄にだいだい、譲り葉、紙垂(かみしで)、裏白など、いわゆる縁起物を飾り付けしたものになります。

それぞれ、飾りには意味があります。

  • 紙垂(かみしで):しめ縄のように神聖な場所を表すものです。(和紙で短冊がくっついたようになっているもn)
  • 裏白(うらじろ):シダの一種で、裏側が粉をふいたように白くなっています。裏も白いことから、表裏のない清さを表しています。
  • 譲り葉(ゆずりは):通常の植物は、葉が落ちてから新しい葉が付きますが、譲り葉は新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、親から子へと家が絶え間なく続いていくようであり、縁起がいいとされています。

大きさには大小様々なものがありますが、飾り付けを行う場所によって変えるといいでしょう。玄関先には大きいものを飾る家が多く見られますね。小さいものは車などにつけ、交通安全などを祈願します。

また、わらを丸くして飾りにした「輪飾り」というものをあります。こちらも、通常のしめ飾りと同様の意味を持っていますので、きちんと飾って年神様を迎えましょう。

しめ飾りは、関東と関西で飾りが多少異なりますので、少し解説します。

関東のしめ飾り

関東においては、真ん中に伊勢海老の頭、だいだい、上部に福袋や末広(扇)を飾り、裏白、昆布、紙垂(かみしで)などを付す飾りが多く見られます。

関西のしめ飾り

一方、関西においては、末広(扇)などは使用せず、派手な装飾ではなく、どちらかというと質素な飾りとなります。

しめ飾りはいつからいつまで飾るのか

しめ飾りも、他のお正月の飾りと同様に松の内に飾り付けを行うものとなります。

したがって、12月28日までには飾り付けを終え、松の内が終了したら取り払います。鏡開きときに一緒に取り払うのがいいでしょう。上記でも説明しましたが、1月11日が一般的になります。

取り払ったお正月の飾り付けは、神社などに持っていくいいでしょう。どんどん焼きで焼いてくれます。


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