冬至とは?2022年の日付、日の出・日の入りの時刻、かぼちゃや小豆のレシピなどをご紹介します。
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冬至は夏至とは反対に1年で一番昼間が短い日です。寒い時期なので、冬至には栄養のあるものを食べる習慣が昔から行われてきました。冬至の意味や、2022年の冬至の日付・日の出・日の入の時間、かぼちゃや小豆、ほうとうなどのレシピもご紹介します。
冬至は昼が最も短い
冬至とは「日短きこと至る(きわまる)」という意味です。
太陽が最も南(南回帰線の真上)に来るために、南極圏では太陽が一日中沈まない「白夜」になり、北極圏では、一日中太陽が現れない「極夜」になります。
日本を含む北半球では、昼の長さが最も短く、夜の長さが最も長くなります。
夜が長いため、昔は冬至の日は「死に一番近い日」といわれていて、その厄(やく)を払うために体を温め、無病息災を祈っていました。冬至の風習は現在も続いていますね。
天文学では太陽が地球上を通る線「黄道(こうどう)」の270度の点を冬至点といい、ここを太陽が通る瞬間を「冬至」と呼びます。また、その瞬間を含む一日を「冬至日」といいます。
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冬至は1年の始まりだった
太陰太陽暦では、冬至は暦法の原点で二十四節気の中でもっとも重要な位置づけでした。
暦法は、まず太陽の影の長さを測定して冬至の日時を決めます。それを基本として、前年の冬至の日時との差から1太陽年の長さ(1年間の日数)を決めるのです。つまり、冬至が一年の始まりだったのです。
中国では昔、冬至を元旦としていて、今でも地方では家族団らんで紅白の団子や餃子を食べる風習があるそうです。
冬至を過ぎたら運気も上がる!一陽来復(いちようらいふく)
冬至は太陽が最も遠くなり、力が弱くなった日と言われます。
逆にいえば、この日からもう一度、太陽が力をつけていくという日でもあります。力が蘇る。つまり、弱くなって「陰」となった太陽が、この日を境に「陽」へと返り咲いていく日なのです。
これを一陽来復(いちようらいふく)と言います。これは太陽のことだけでなく、中国や日本では、冬至を区切りの日として、すべての運が上向いていくと言われています。
クリスマスも冬至が始まり
世界的に見ても、冬至、または冬至から翌日にかけては、太陽が最も弱くなった日が無事過ぎ去ったことを祝って、各国で冬至祭が行われます。
キリスト教のクリスマスも冬至祭が起源といわれています。ちなみにイエスの誕生日がほぼ冬至の日で、イエスに洗礼を行った洗礼者ヨハネの誕生日はほぼ夏至の日になっています。
冬至の日の出と日の入の時刻は?
冬至は昼間の時間が最も短い日だから、日の出が遅くて日の入りが早いと思いがちですが、実際は日の出が最も遅いのは1月上旬で、日の入りが最も早いのは12月上旬です。
昼間の長さは、太陽の高さで決まります。太陽の高さが最も低くなるのが冬至なので、太陽が空を横切る時間も短くなるわけです。ところが、日の出、日の入りを決める要因は、昼間の長さだけではなく太陽と地球の動き方にも関係しているのです。
地球は少し傾いて自転しています。したがって、まっすぐ上から串刺ししても、北極と南極を貫くことができません。
この傾きが23.4度です。太陽の動く道と地球の赤道が平行ではなくて、23.4度傾いているということです。そして少し傾いた地球が、太陽の周りを楕円軌道で回っているのです。
このことで、太陽は1日に1度位づつ東にずれていきます。太陽の位置が毎日ずれていくことで、日の出、日の入、南中時刻(お昼に太陽が真上に来る時間で日の出と日の入の中間)が少しずつ変わっていくのです。
冬至は南中時刻の太陽が最も低い位置になり、南中時刻が早くなりますが(午前中)、地球の自転と公転の関係から、太陽の移動が大きいために、日の出、日の入りが遅くなります。このことで、冬至と日の出が遅い日、日の入が早いというのは一致せず、半月ほどのズレが生じています。
冬至、日の出と日の入の関係は次のようになります。
- 冬至 太陽が一番低い日
- 日の出が最も遅い日 冬至の半月ほど後
- 日の入が最も早い日 冬至の半月ほど前
これは、夏至でも同様のことがいえます。太陽が最も高い位置になる日に「日の出が早く」、「日の入が遅くなる」わけではないのです。日の出の早い日は夏至の1週間前、日の入の遅い日は、夏至の一週間後になります。
2022年の冬至の日の出と日の入の時刻は次のようになります。
日の出 | 日の入 | |
---|---|---|
東京 | 6:47 | 16:32 |
札幌 | 7:03 | 16:03 |
仙台 | 6:50 | 16:20 |
新潟 | 6:56 | 16:28 |
名古屋 | 6:57 | 16:44 |
大阪 | 7:01 | 16:51 |
広島 | 7:13 | 17:04 |
鹿児島 | 7:13 | 17:19 |
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台HPをもとに作成
2022年の冬至はいつ?
冬至は年によってずれます。それは、一年がぴったり365日ではないからです。実際には多少のずれがあって、それを修正するために、4年に一度うるう年があります。
冬至は、基本的には12月22日、うるう年は12月21日です。2022年はうるう年ではありませんので、12月22日(木曜日)が冬至です。
冬至の風習
「ん」の付くものを食べる運盛り
冬至は、一年で一番昼間が短い日です。太陽の力も一番弱く、冬至以降太陽の力が戻ってくるのを「一陽来復」といって、人々の運気もリセットされる日でもありました。
そこで、この先もっと運がよくなるようにと縁起かつぎで、「ん」の付くものを食べる風習がありました。これを運盛りといいます。
特に【冬至の七種(ななくさ)】といって、以下の食べ物は「ん」が2つ付いているので、2倍の幸運が呼び込めると好まれていました。
- なんきん
- れんこん
- にんじん
- ぎんなん
- きんかん
- かんてん
- うんどん(うどん)
他にも、だいこん•とうがん・かんぴょう・みかん•こんにゃく•こんぶ•りんごなど、探してみても面白いですね。
ゆず湯
ゆず湯は、冬至の日に行う禊(みそぎ)の風習です。一陽来復の運を呼び込む前に、ゆずの香りで邪気を払い、悪運を流し、体を清めたそうです。
また、湯に浸かるというのは、「冬至(とうじ)」と「湯治(とうち)」を掛けたとか「ゆず」と「融通(ゆうずう)がききますように」を掛けたという意味もあるそうです。
ゆず湯には、血行促進効果があるので、腰痛や冷え性に効果があると言われています。ちゃんと理にかなっているのですね。
冬至の室礼(しつらえ)
日本独自の文化です。ハレの日などに、雰囲気を盛り上げたり、お客様をもてなしたりするために部屋を飾ることをいいます。
床の間や箪笥の上にちょっとした花を飾ったり、季節の野菜や果実をお皿やお盆に盛り付けて飾ったりして楽しみます。
冬至には、冬至の七種や柚子の実、魔よけである小豆や唐辛子の赤いものを盛り付けます。現在の、果物籠にみかんを盛ってコタツに置いておくのも一種の室礼ですね。
お稲荷様を拝む
稲荷信仰の家では、冬至に赤飯でおにぎりを作って、子供たちに配る風習がありました。
太陽が沈みかけたころ、子供たちだけの集団が、お稲荷さんをお祀りしているお家に行って、祠(ほこら)を拝み、赤飯のおにぎりを貰います。
暗くなるときつねが出るといって一種の肝試しのようなこともしていたようです。
冬至の食べ物・レシピ
冬至かぼちゃ
昔は冬の時期、緑黄色野菜が採れなかったので、夏や秋に採れた野菜で漬物や干し野菜を作って保存していました。風通しのいい所に置いて丸のまま保存できるかぼちゃは貴重な野菜でした。
それに砂糖が贅沢品だった時代、甘いかぼちゃはご馳走でした。
冬至にかぼちゃを食べるのは、風邪をひかない、中風(脳卒中)にならない、金運を祈願するなどといわれていたようです。
また、陰陽思想では、冬を「陰」、夏を「陽」と捉えます。夏の野菜を冬に食べことで、「陰」となる冬に「陽」を体に補給するという意味があるのです。
かぼちゃは夏から収穫を始めて冬まで食べられます。また、かんぴょうや冬瓜も夏野菜ですので、同様に冬至に食べると良いとされています。
小豆粥
中国で冬至に食べていた小豆粥が伝わって冬至の朝は、小豆粥を食べて体を温め、無病息災を祈りました。
また、赤い小豆は、魔よけや厄除けになるとされて広まったようです。
こんにゃく
こんにゃくは、体の砂落としといって、一年間溜まった砂下ろしをするのだそうです。
子袋の砂下ろしといって、地方によっては男性が必ず食べる風習がありました。
もともとはお坊さんの精進料理で、邪念を取り去ったり、お腹の掃除の意味で食べられていたものが、庶民に広まったといわれています。
いとこ煮
かぼちゃと小豆を一緒に煮たものを「いとこ煮」といいます。
北海道や山形、福島、北陸地方などで食べられていたようです。
もともとは神様にお供えした野菜を寄せ集めて豆類と一緒に煮たもので、硬いものから順々に煮ていったので「追い追い煮る」が「甥甥」、または別々に煮る「銘々に煮る」が「姪姪」と掛けて従妹(いとこ)と名付けたというのが由来だそうです。
しっぽくうどん
昆布、煮干しなどで取った出汁に、根菜(大根、人参、牛蒡など)を入れて煮えたところに、うどんを入れて煮込みます。香川の郷土料理です。
冬至そば
岡山や福島で作られたようです。中国では冬至を年の初めとしていたので、年越しそばのような意味合いがあるのかもしれません。
ほうとう
山梨の郷土料理で有名なほうとうです。かぼちゃの甘みととろみが冬にぴったりですね。
冬至の食べ物のレシピ
料理サイトで検索しても、すぐに知ることが出来て、便利な世の中になりました。何時間もかけていた調理も、便利な鍋やレンジで時間を短縮できます。今年の冬至には、何か手作りしてみましょう。
小豆粥
材料
- 米 1カップ
- 小豆(乾燥) 1/2カップ (70g)
- 水 + 小豆のゆで汁 7カップ
- 塩(または砂糖) 少々
作り方
- 小豆はよく洗ってたっぷりの水(分量外)で茹でる。一度鍋で沸騰させ湯を捨てて、もう一度鍋に水を入れ(分量外)弱火で1時間ほど茹でる。小豆を指でつまんで押さえてみて、軽く潰れる程度まで茹でてザルに上げる。(ゆで汁は捨てない)
- 米を洗って研いで、ザルに上げておく
- ゆで汁と水を合わせて7カップになるようにし、ザルに上げておいた米を入れて炊きます。 一度沸騰させてから、全体を大きく混ぜて、弱火で30分ほど炊く。
- 途中でかき混ぜたりせず、吹きこぼれそうになったら、蓋を少しずらして凌ぐ。
- お米がふっくらしてきたら、茹でた小豆を加えて5分ほど炊く。好みで塩少々(または砂糖少々)で味を整える。
時間はかかりますが、難しくはありません。最後にお餅を入れる場合もあります。味付けは、地方や家庭で違うようです。塩を入れる地方と砂糖を入れる地方があります。
冬至かぼちゃ
材料
- かぼちゃ 1/2個
- 水 300~400cc
- 砂糖 大さじ4
- みりん 大さじ4
- 酒 大さじ4
- 薄口しょう油 大さじ4
作り方
- かぼちゃの皮を所々剥き、種・ワタを除き、一口大に切る。
- 皮の方を下にして鍋にきっちり並べる。(煮崩れを防ぐ)
- しょう油以外の調味料と水を入れて強火で煮る。
- 5分くらい煮たら、しょう油も加えて落し蓋をして弱火で7分煮る
- 柔らかくなったら火を止めて、そのまま鍋で冷ます。(冷める時、かぼちゃに味が入る)
かぼちゃはゴツゴツしていますが、火の通りが早いです。焦げないように気を付けてくださいね。
かぼちゃのほうとう
材料
- ほうとう麺(生) 4袋(520g)
- かぼちゃ 1/4個
- 里芋 3個
- 人参 1/2本
- 白菜 1/4個
- 青ネギ 1本
- しいたけ 3個
- しめじ 1パック
- 油揚げ 3枚
- 豚もも切り落とし 300g
- 水 8カップ(1760cc)
- 和風だし(顆粒) 大さじ2
- だし入り味噌 大さじ5~6
作り方
- 材料を食べやすい大きさに切る。かぼちゃと里芋は大きめに切る。
- 鍋に水と和風だしを入れ、青ネギ以外の材料を入れて煮る。途中、かぼちゃが煮えたら半分取り出しておく。(煮崩れるので)
- ほうとうを入れて煮る。
- 味噌で味を調えて、②で取り分けていたかぼちゃを加える。器に盛り付け、刻んだ青ネギをのせる。七味、柚子こしょうで食べる。
生のほうとうは、打粉がついていますが、そのまま煮込みますので、汁にとろみが出て、かぼちゃや里芋は煮崩れてトロトロになります。鍋底が焦げやすいので、ときどきかき混ぜてください。
冬至のまとめ
冬至は単に昼間が短い日というだけでなく、そこには様々な意味が込められていて、昔からいろいろな風習があったのです。
冬本場を迎える冬至ですから、元気になる食べ物を食べて、家族で健康に過ごせるようにしたいですね。
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