八十八夜っていつ?八十八夜の意味とおいしいお茶の入れ方を教えます。
記事にはPRを含むものがあります。
八十八夜ってお茶摘みが始まる時期のことをいいます。八十八夜の意味をちゃんと理解しておくと、お茶もおいしく感じると思います。そして、お茶にもいろいろな種類がありますので、そちらの方も合わせて説明しています。
八十八夜とは
八十八夜は暦でいうと、5月1日か2日で、立春から数えて八十八日目にあたります。
日本独自の雑節の一つと言われ、明暦2年(1656年)の伊勢暦が初めで、正式な暦に記されるようになったのは、貞享3年(1686年)からと言われています。
なぜ、88なのかというのは、季節のこともありますが、「八十八」は米を意味する文字でもあることも関係しています。
また、「八十八夜の別れ霜」 という言葉があり、 霜が降りる心配がなくなるので安心して茶摘みができるようになるという意味です。
八十八夜のすぐ後に立夏(5月6日頃)となりますので、八十八夜は春と夏の境目の日であり、八十八夜の後は暖かくなることを意味しています。
茶摘みは八十八夜の後の2〜3週間が最もさかんになります。そして、新茶はこの時期の一番茶のことを言います。
新茶の中でも、八十八夜に摘まれる新茶は不老長寿を願う意味があり、縁起がいいものとしてとても重宝されています。
また、茶摘みの季節には、 茶摘みの歌を歌いながら、大勢の女性がお茶の収穫を行っていました。
茶摘みの服装としては、紺絣(こんがすり)の着物を着て、赤いたすき掛けをするというのが、定番の姿です。
お茶の種類・マナー
八十八夜の内容がわかったところで、お茶の楽しみ方やマナーについてお話しします。
お茶の入れ方
煎茶や玉露は、日本茶の中でも、熱い湯でいれると渋みが強く出てきます。お湯はある程度冷ましてから使うように注意しましょう。
お茶の入れ方は概ね次のように行います。
- 適量の茶葉をいれた急須に入れます。
- 煎茶は60度、玉露は50度くらいの湯を注ぎます。
- お湯を注いだらで1〜2分ほど蒸らします。(お茶の旨みと甘みが出てきます。)
- 複数の湯飲みに分けて入れる時には、少しずつ分けて、濃さが同じになるように留意します。
- 急須にお茶が残らないよう、最後の1滴まで注ぎます。
- 番茶やほうじ茶を入れる場合は、熱湯を使用して、30秒程度の短い時間でいれます。
ちなみに、煎茶のティーバッグの入れ方もあります。ちょっとしたことで、おいしくなりますので、ぜひやってみてください。
- 使用するティーバッグの数 … 1杯にティーバッグを1つ使用します。
- お湯の温度 … 80度くらい(ポットのお湯でOKです。)
- しっかりと蒸らす … 少しおいてから、カップを少し振ります。
- ティーバッグを取り出す … スプーンで絞ったりしないで、そっと取り出します。
主なお茶の種類
普段よく目にするお茶について、改めて簡単に説明しておきます。
玉露
お茶の新芽が出始めか、お茶を摘む3週間ほど前から日光を遮って育てます。こうすることで、甘みとコクのある味わいになります。また、光を遮る遮光栽培を行ったことで発せられる特有の覆い香があります。
煎茶
玉露と異なり、お茶を摘むまで日光をずっと浴びせます。このことで、カテキンが増加して渋みが増します。味としては、程よい渋み、すっきりとした香りがあり、最も多く飲まれるお茶となっています。
釜炒り茶
釜炒り茶は、釜で茶葉を炒ってつくった緑茶です。日本で普段飲まれているお茶は、そのほとんど(95%以上)が蒸されているもので、釜炒り茶は少し珍しいと感じるかもしれません。
煎茶などに比べて香りが高く、色は黄色で味はさっぱりとしているのが特徴です。
茎茶
玉露や煎茶を仕上げる工程において、新芽の茎だけを抽出してできたたお茶です。茎茶には独特の甘みがあり、香りはとてもさわやかです。茎茶の中でも玉露や高級な煎茶の茎は、「かりがね」と呼ばれ、非常にいいものとされています。鮮やかでツヤがあるほど、甘味があります。
玄米茶
水に浸して蒸した玄米を炒って、番茶や煎茶などを同じくらいの分量で加えたのが、玄米茶です。
炒り玄米の香ばしさに、煎茶や番茶のさっぱりとした味わいが加わり、玄米茶独特の風味や味が楽しめます。
玄米が混入していることで、煎茶や番茶の使用量が少なくなることから、カフェインが少なく、お子さまやお年寄りの方にもお勧めできます。
ほうじ茶
ほうじ茶は、煎茶、番茶、茎茶などを強火で炒って(ほうじて)、お茶の風味に香ばしさを加えたお茶のことです。
また、煎茶や番茶の仕上げ加工工程で生じる形の大きい葉や茎を混ぜ合わせ、炒ったものも含まれます。
ほうじ茶は、ほうじ機と呼ばれるもので約200度で加熱していき、すぐに冷却されます。
炒ることでカフェインが昇華(固体から気体に直接変化する現象)して、香ばしさとすっきりとした軽い味が楽しめます。
抹茶
濃茶(こいちゃ)用の抹茶は、以前は樹齢100年以上にもなる木のお茶を使用していましたが、近年は濃茶に適した品種、肥培管理・被覆期間などの検討を行い、良質なものが濃茶用とされています。
ちなみに、てん茶とは臼で挽くためのお茶という意味で、抹茶の原料として栽培されているお茶です。玉露よりも長い期間、遮光して作られています。
また、抹茶の飲み方には、次のような作法があります。
- 抹茶茶腕のふちに右手を添えて、持ち上げます。
- 左の手のひらにのせます。
- 右手で抹茶茶碗を時計回りに一度回します。
- お茶を3ロ半でいただきます。
- 時計回りの逆に一度回し、もとあったところに戻します。
まとめ
八十八夜は5月2日頃で、立春から88日目のことをいいます。そして、このころのお茶を新茶といいます。
八十八夜を過ぎると寒い日がなくなり、夏に向かっていく時期になります。
お茶には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。また、お茶の入れ方も種類ごとに異なってきますので、お茶にあった入れ方で、おいしく飲むことができます。
こちらも一緒に読まれています。