2022年のほおずき市の開催状況は?ほおずき市の由来や浅草寺など有名なお寺の日程をご紹介!
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ほおずき市は浅草寺や愛宕神社などが有名で、お寺で行う夏の行事としてとても人気があります。ほおずき市はお寺の信仰とも深い関わりがあり、ほおずき市を行う日にちにも意味があります。ほおずき市の由来や歴史を改めて確認しましょう。
ほおずき市とは
ほおずき市というと、浅草の浅草寺(せんそうじ)が有名ですが、小さな下町のお寺でも見かける夏の風物詩のひとつです。
華やかなお祭りではないので、関東以外の人には馴染みが薄い行事かもしれませんね。
もともと、ほおずき市は観音信仰と深い関わりがあります。古くから観音様の縁日は毎月18日で、この日にお参りすると普段より一層ご利益があるといわれています。
江戸時代になると、参拝が盛んになって善男善女が大勢お詣りに来るので、お寺の回りに市が立つようになりました。
その市で薬草として評判のほおずきを売ったのが始まりとされています。
縁日とは
縁日とは神仏の降誕・示現・誓願などの縁(ゆかり)のある日のことで、その日に祭祀や供養が行われます。
この日に参拝すると、普段よりも仏様や神様と深く縁を結べて、格別のご利益を受けることができるとされています。
観音様だけに限らず、いろいろな仏様や神様をお祀りする寺社でも決まった縁日があります。
観音様の縁日は毎月18日のほかにも、月に1日、功徳日(くどくび)という日があります。この日に観音様をお祀りしている寺を参拝すると、百日分、千日分参拝したのと同じ功徳(ご利益)があるとされます。
特に7月10日の功徳日は、「千日詣り」といわれ、千日(約3年)参拝したのと同じ功徳が得られる大功徳日と呼ばれるようになりました。
浅草寺も10日の大功徳日を「千日詣り」と呼んでいましたが、享保年間(1716年~1736年)に、この大功徳日には4万6千日参拝したと同じご利益があるとされて、この超大功徳日を特別に四万六千日(しまんろくせんにち)と呼ぶようになりました。
やがて、観音様をお祭りする他の寺社は7月10日を四万六千日(しまんろくせんにち)と呼ぶようになりました。浅草寺には、10日の四万六千日に一番乗りしたいという人が、前日の9日から門前に大勢並ぶようになり、9日も超大功徳日にして、9日と10日を四万六千日にするようになりました。
四万六千日の由来
観世音菩薩の縁日の中でも大功徳日の呼び名で、毎年7月10日です。
一升分の米粒が46000粒あるので、一升と一生をかけて一生無病息災で暮らせるとか、46000日を年数であらわすと約126年で、人間が病気や怪我をせずに生きたら、寿命はそれくらいになるから天寿を全うするまで無病息災で暮らせるなどの説があります。
しかし、どうしてこう呼ばれるようになったのか、はっきりとした根拠はありません。
ほおずき市の歴史
どうして功徳日にほおずきを売るようになったのでしょうか。
じつは、初めにほおずき市が立ったのは、芝の愛宕神社(あたごじんじゃ)ではないかといわれています。
江戸時代、愛宕神社の近くに住む人が、ほおずきの実を鵜呑みにすると万病が治るとご神託を受けます。
家族や隣人に飲ませたところ、本当に子どもの癇の虫が治まり、夫人の癪(しゃく)にも効き目があったのです。これは皆にも広めたいと、愛宕神社の縁日で売りだしたのが始まりと言われています。
のちに愛宕神社でほおずきを買ってきて、薬草として煎じて飲むと、大人の癪(しゃく)を治し、子どもの癇の虫によく効くといわれ、使われていたようです。
ちなみに癪とは、胆石や急性の胃痙攣などを総称していいます。
愛宕神社の縁日は、観音様の縁日と同じ日で、浅草寺にならって四万六千日と呼んでいたのですが、四万六千日は浅草寺の縁日の呼び方と同じだということから、浅草寺にもほおずき市が立つようになったという説があります。
また、源頼朝が奥州討伐の帰りに浅草で軍勢を休ませ、 日射病で倒れた兵士達に、ほおずきの実を食べさせたところ、元気になったので浅草でほおずきを売るようになったという言い伝えもあります。
緑色だったほおずき
現在のほおずき市のほおずきは、赤くかわいらしい鉢物ですが、昔のほおずきは種類が違っていて果実は熟しても緑色でした。
ホオズキ属のセンナリホオズキという種類で、果実が解熱薬になり根っこは子宮を収縮させる効能があるので堕胎薬として使われていました。人々は、その薬草を買って帰って、夏の病気に備えたのです。
堕胎薬とは、神社やお寺に似つかわしくないように思いますが、その時期妊娠すると農繁期に仕事が出来なくなるからだそうです。
今のように機械のない時代、人手不足は死活問題だったのですね。今でも漢方では利尿・鎮痛・解熱などの薬効のある植物として処方されています。
雷除けのとうもろこし
浅草寺では文化年間(1804年〜1818年)頃から、四万六千日に雷除けとして赤トウモロコシも売られるようになりました。
雷は地震・火事と共に、江戸の町に大きな被害を与える災害でした。
あるとき村で、赤とうもろこしを吊るしていた家だけが被害に遭わなかったことから、功徳のある四万六千日の縁日に限って、雷除けとして売られるようになったのです。
しかし、明治初期に不作で赤とうもろこしの店が出せなかったことがあり、参詣客の要望で浅草寺から雷除守護(かみなりよけしゅご)の札が出されるようになりました。
浅草寺の雷除けのお守りは、現在でも7月9日・10日のみ授与されています。
また、赤は厄除け・魔よけの意味があるので、生産量が不安定な赤とうもろこしから、赤いほおずきに変わって売られるようになったようです。
浅草寺ほおずき市の開催時間について
浅草寺のほおずき市は毎年7月9日と10日で、両日とも本堂は午前6時~午後8時頃まで開いています。
ほおずき市は午前8時頃~午後9時頃までですが、9日は夜11時ごろまで開いている店が多いです。仕事帰りにも寄れるように、遅くまで開いているのでしょうね。
10日は、売り切れた店から店じまいするので、あまり遅い時間だと寂しいかもしれません。
なお、2021年のほおずき市の中止となりました。
東京都の浅草寺以外のほおずき市について
浅草寺以外にも東京都内で開催されるほおずき市があります。お近くなら出かけてみてください。家族やお友達同士で楽しめますのでおすすめです。
愛宕神社(千日詣り、ほおずき縁日)
毎年6月23日、24日の2日間(9:00〜18:00)。
ほおずき市発祥の神社なので、にぎやかです。社殿前にある大きな茅の輪(ちのわ)をくぐってお詣りすると千日分のご利益があります。
信松院(ほおずき市)
例年7月10日に開催。
金龍山浅草寺と同じ山号の金龍山信松院というところから、ほおずき市が立つようになりました。歴史はまだ浅いですが八王子の夏の風物詩となっています。
深大寺(鬼燈祭り)
例年、7月の海の日のあたりで開催しています。
深沙(じんじゃ)大王と延命観音の縁日に、提灯に見立てたほおずきを並べてご先祖の精霊たちをお迎えする夏の行事です。
朝日神社(ほおずき市)
毎年7月上旬の金曜、土曜に開催されます。
六本木の朝日神社で10年ほど前から、宮崎県日之影町が主催して行われます。日之影町はほおずきが特産品です。
2022年は、7月8日(金)〜9日(土)の日程で開催されます。
源覚寺(ほおずき市)
毎年7月中旬ごろに開催されます。
初日は午前8時〜午後5時まで、2日目は午前8時〜午後3時までというのが例年の開催時間です。
こんにゃく閻魔で有名な源覚寺で行われます。朝顔市が徳川家ゆかりの伝通院で行われるので、一緒に楽しめます。小石川の夏の風物詩です。
毘沙門天善國寺(ほおずき市)
毎年7月末の神楽坂祭りの期間に開催されますが、2022年については神楽坂まつりの中止が決定しています。
縁日の露店発祥のお寺だそうで、神楽坂祭りの一環としてほおずき市もあります。
昔から伝わるものや新しく開催しているものなど、それぞれのほおずき市が大人も子供も楽しめるイベントになっているようです。地元に根付いてこれから先も日本の夏の風物詩として伝えられていくのですね。
ほおずきの値段は
ほおずき市に行ったら、ほおずきを買わないと・・ということで、お値段が気になるところです。
ほおずき市には120軒以上の露店が出てにぎわいます。価格協定があるようで、どちらのお店も同じ価格です。
風鈴が付いた鉢物は2500円です。2個3個とまとめて買うと、おまけも付けてくれるそうです。また、発送もしてもらえるそうなので、地方に住む知人に送るのもいいですね。
鉢植えは、育てられるか心配だという人には、ほおずきが付いている枝だけを買うことも出来ます。「枝ほおずき」は、1000円。
提灯みたいに、竹ひごに1つほおずきがついている「ひごほおずき」は50円、実だけを詰めた「ほおずきの袋詰め」は500円になっています。
10日の夕方には、値段を下げて売りつくしますので、そのころ行けばお買い得になりますね。ただ、良いもの、気にいったものを買いたい人はお早めにどうぞ。
露店での買い物は、値切ったり冷やかしたりする駆け引きが楽しいですね。値切りは関西が本家のようですが、じつは江戸っ子も値切ります。
たとえば、2500円の端数を切って2000円に・・交渉が成立したら、江戸っ子はおもむろに2500円を渡します。
値引きしてもらった500円は「ご祝儀だよ、取っておきなっ!」と粋なことをするんだそうですよ。東京の下町気質「粋な美学」は今も続いています。あなたも、カッコよく江戸っ子流の買い物を楽しんでみませんか。
風鈴について
ほおずきの鉢の下に下がっている風鈴が、風にゆれてチリンチリンと鳴ると涼しげですね。
でも、どうして風鈴がついているのでしょう。
昔は涼を感じるためのものではなく、魔よけとしていました。風が病気や不幸を運んでくるといわれ、軒先に吊るしておくと、風鈴の音が聞こえる範囲に結界が張られ、家を守ってくれるといわれています。
また、お盆に帰って来られるご先祖さまの魂と一緒にやってくる悪霊を退散させる効果があるのだそうです。
江戸時代から作られていたので、昭和40年代に「江戸風鈴」と呼ばれるようになりました。
ガラス製で、色々な絵付けの風鈴は見ているだけでも涼やかです。たくさんの風鈴の中からお気に入りを選ぶのも楽しいですね。
ほおずき市でしか頂けないお守り
浅草寺のほおずき市(7月9日、10日)にしか手に入れられない特別なお守りが2つあります。とても人気があるので、できれば早めに購入されることをおすすめします。
「雷除(かみなりよけ)」
竹の先に雷除守護(かみなりよけしゅご)のお札がついていて、神棚などに立てて飾るタイプです。元々は「雷除け」でしたが、現代では「災難除」のお札となっています。
「災難除守(さいなんよけまもり)」
普通のお守りより少し大きめの、身につけるタイプです。一辺7センチぐらいの二つ折りになっていて、中に小さな雷除札が収められています。
どちらも、四万六千日と記されているので、とてもご利益がありそうですね。
最後に
浅草寺のほおずき市は2日間で55万人もの人が訪れるそうです。
地元の人だけでなく全国から、信仰だけでなく観光としての参拝客が多いのでしょうね。
ちなみに、仏様には座っていらっしゃる方と立っていらっしゃる方があって、立っていらっしゃる仏様は、すぐに願い事を叶えて下さるといわれています。
観音様は立っていらっしゃいますので、願い事はすぐに叶うかもしれませんね。
毎年行かれる方も、まだ行ったことのない方も、ぜひ四万六千日に参拝して観音様の功徳を頂いて、無病息災で夏を乗り切りましょう。
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