2022年の十五夜はいつ?十五夜と満月の関係やお祭り、レシピをご紹介!

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馴染みの深い十五夜ですが、毎年日付が違う上に満月の夜とは限りません。2022年の十五夜の日付や、十五夜の分かりやすく説明とともに、各地の有名な十五夜のお祭り、月見団子や里芋のレシピをご紹介します。

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十五夜とは

十五夜とは

日本人は月が好きな民族です。古くから和歌や物語に月が登場することは多く、お祭りにも影響を与えています。

十五夜といえば満月ですが、実は十五夜と満月は同日とは限りません。

2022年は同日で、9月10日(土)が十五夜で満月になります。

十五夜は単に暦のことで、実際の満月ではないということなのです。これは、新月から満月になる周期が14日〜16日とブレがあり、暦とずれてしまうからなのです。(後で少し詳しく説明します。)

そして、十五夜といえば、お月様のウサギのお話です。子どもの頃、お月様にはウサギがいて、お餅をついているとご両親から教わった人もいるのではないでしょうか。

現在では、笑われてしまうかもしれませんが、この話には日本人の稲作文化が関係しているのです。このような話はしっかりと伝えていきたいですね。

月のウサギのお話

月とうさぎ

その昔、キツネと猿とウサギが一緒に暮らしていたのですが、そこにお腹が減っているおじいさんがやってきました。

おじいさんは何か食べ物が欲しいと言います。

すると、狐はお墓に行ってたくさんのお供えものを盗んできて、おじいさんにあげました。

猿は木に登って、いろいろな果実を採ってきて、おじいさんに食べさせます。

そしてウサギは一生懸命頑張ったのですが、何も持って帰ることができませんでした。ウサギは悩んだあげく、自分を食べてくれと覚悟を決めて火の中に飛び込みました。

このおじいさんは、実は帝釈天という神様で、悲しみ、ウサギの美しい魂を誰もが見られるように、月の中へとその姿を写したのです。

月でウサギが餅をついているのは、十五夜の時期がお米の収穫の時期に重なってくることから、お米がたくさん収穫できるようにといった意味が込められたようです。


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十五夜と満月がずれる理由とは

十五夜とは、満月の夜のことを表し、旧暦の15日のことを言います。つまり、旧暦の15日は満月であり、いわゆる中秋の名月に限らず、毎月15日を十五夜と呼んでいました。

したがって、十五夜は旧暦の1年で年に12〜13回あるということになります。(旧暦ではうるう月があったため13回の年がある。)

旧暦では、新月の日を1日として、1ヶ月が始まりますので、15日と満月が一致していました。

つまり、旧暦では月に合わせて暦が決まっていたのです。

しかし、現在の暦は月と日付は関係ありません。さらには、現在の旧暦の計算方法は当時とは異なるため、暦の上での旧暦の15日と満月は一致していないのです。

少し複雑ですが、結論からいうと、現在では、暦の上での十五夜となる旧暦の8月15日は満月とは限らないのです。

十五夜と満月の日付

満月

近年の旧暦8月15日。十五夜の日付は次のようになっています。

  • 2022年 9月10日(土)
  • 2023年 9月29日(金)
  • 2024年 9月17日(火)
  • 2025年 10月6日(月)
  • 2026年 9月25日(金)
  • 2027年 9月15日(水)
  • 2028年 10月3日(火)
  • 2029年 9月22日(土)
  • 2030年 9月12日(木)

このように旧暦と現在の暦では大きな違いがあります。この日がいわゆる「十五夜」「中秋の名月」の日になります。

一方、満月となるのは次の日付です。

  • 2022年 9月10日(土)
  • 2023年 9月29日(金)
  • 2024年 9月18日(水)
  • 2025年 10月7日(火)
  • 2026年 9月27日(日)
  • 2027年 9月16日(木)
  • 2028年 10月4日(水)
  • 2029年 9月23日(日)
  • 2030年 9月12日(木)

今後の3年間では2022年、2023年、2030年は十五夜と満月が重なっていますが、これは珍しいパターンです。

旧暦の8月15日と満月では、1日から2日程度のズレがあるのが普通です。

また、旧暦では1月~3月を春、4月~6月を夏、7月~9月を秋、10月~12月を冬としていて、旧暦の8月というのは、現在と1ヶ月ほどずれています。

旧暦の8月15日は、秋の季節の真ん中の日であることから、中秋と呼ばれています。

現在の暦では9月15日ということになり、この日の月を中秋の名月、十五夜と呼びます。

中秋の名月には豊作を祈る

月が満ち欠けする周期を「月齢」といいます。

新月(月の出ない日)から15日目で月はまん丸くなり、そこから15日かけて再び細くなり、新月へと向かっていきます。

昔から行事を行ったり、稲や畑で作物を育てる際には、この月齢に合わせていました。

そして、月が欠けていない満月は、豊穣の象徴と言われてきました。

秋はお米を刈り取る季節となりますので、十五夜は豊作を祈り、感謝するという意味でお祭が行われるようになってきました。

唐の時代から行われる中秋の名月

中秋の名月を鑑賞するお月見の風習は、実は日本が起源ではありません。中国で唐の時代に行われていたもので、唐と交流のあった平安時代の日本に持ち込まれたものです。

平安時代以降は、農作物の収穫のお祭りとして、武士、町民、農民へと広がっていきました。

なお、中秋の名月の時期には里芋をちょうど収穫する時期でもあることから、中秋の名月は「芋名月」とも呼ばれています。

一月遅れの名月「十三夜(じゅうさんや)」

十三夜

十三夜とは、十五夜から1ヶ月遅れてやってくる、「旧暦9月13日」の月のことをいいます。

この月は、十五夜の次に綺麗な月だと言われ、十五夜とともに名月として鑑賞するものです。

実は、十五夜とこの十三夜はセットになっていて、両方見ることが良しとされていて、片方の月しか見ないことは「片見月」と呼ばれて、縁起が悪いとも言われているのです。

十三夜は、時期的に栗や小豆をお供えものとすることが常で、「栗名月」や「豆名月」といった呼ばれ方をしています。

また、十五夜は比較的曇りとなり、見えにくいことが多いと言われているのですが、十三夜は晴れが多く、「十三夜に曇りなし」と言われています。

落ち着いた時期にゆっくりと見る「十日夜(とおかんや)」

十日夜とは、十三夜からさらに一月遅れてやってくるもので、旧暦10月10日に行われる収穫祭になります。

旧暦10月亥の子の日に「亥の子祭り」という収穫のお祭りを実施するところがありますが、実際には旧暦に関係なく、現在の暦の11月10日に祭りを行うところが多いです。

お祭りのやり方は地方によって異なりますが、長野県では収穫後に「かかし」をとり込んで、かかしと一緒にお月見をするそうです。

十五夜や十三夜は収穫前や収穫の最中なので、農作業が忙しいため、ゆっくりとお月見ができないため、収穫後の落ち着いた時期に、ゆっくり十日夜を楽しむという地域が多いようです。

各地の十五夜の行事

行事

十五夜は、基本的には満月に見立てたお団子や、里芋(衣かつぎ)、お神酒などを供え、魔除けの力があるといわれるすすきを飾ります。

地方によっては、昔ながらの様々な十五夜の行事が残っています。

ここでは、その代表的なものをご紹介します。

長崎県五島

まんだかな」といって、お月様にお供えが済むと、子どもたちがそれを取って行ってしまう風習が残っています。

すぐに無くなるのはお月様が食べて下さったのでおめでたいのだそうです。

秋田県仙北郡

片足御免」ということで、他人の敷地に片足を踏み込んで、その家のものを取るのを許してもらえるという日です。

お供えだけでなく、畑の野菜や木の実などを取るのも公認なのだそうですよ。

こちらの風習も、お月様が持って行ってくださったと、喜ぶのだそうです。

このような、泥棒しても無礼講だという風習は全国にあります。

九州地方には、この日みんなが集まってお祭りをするところもあります。

温かい地方は作物の収穫が終わっていたりして、お祭りの準備もしやすかったのかもしれません。

鹿児島

十五夜ヨコビキ

南薩摩の十五夜の行事で、国指定重要無形民俗文化財になっているものです。

十五夜の夜は、各家庭でお供えを作ります。

臼の上に農具の箕を置き,そこに月見団子、ススキ、季節の果実、萩の花を供えます。

そして、特徴的なのが升に乗せる里芋の親芋です。これは子孫繁栄の願いが込められています。

そのあと、十五夜ヨコビキという稲わらやカズラ、カヤで作った綱を引き合うのです。

綱引きといっても、一般的な綱引きのように左右に引き合うものではなく、大綱にたくさんつけられた引き綱を引いて、横方向にずるずると引くイメージです。(動画参照)

青年と子供で綱を挟んで分かれて、引き合います。引き手の人たちは、手拭を頬被りにして、ふんどしという姿です。

そして、「愛宕参り」を歌いながら、掛け声とともに引き合っていきます。横方向にひきづる感じで引き合うので、大綱は龍がくねって、のたうちまわるように見えてきます。

勝ち負けではなく、くねらすことを主とした綱引きです。

そのあとは大綱で囲った土俵を作り、「十五夜ソラヨイ」という相撲が行われます。

相撲の起源!「十五夜ソラヨイ」

綱引きが終わると、大綱を回して土俵を作り、子供たちが「ソラヨイ、ソラヨイ」と歌いながら、すだれ状の袴と藁の蓑笠で、四股を踏むように踊ります。

これが十五夜ソラヨイです。

ソラヨイという言葉は「それ、よいしょ」という掛け声の意味と「それは良い」という大地と月に感謝する言葉の意味が含まれ、豊作を祈願しています。

そして、実はこのソラヨイが相撲の四股踏みの起源であるともいわれていて、この行事は相撲よりも古くからあるのです。

沖縄

沖縄では、旧暦八月十五日は十五夜(じゅうぐやー)と呼ばれ、綱引きが行われます。

綱引きが中心の十五夜なのですが、新垣では琉球王国から続く古武術である棒術を行ったり、与座、米須では五穀豊穣祈願と感謝を女性だけで踊る「ウスデークー」という踊りを奉納したりします。

また、沖縄では十五夜にフチャギというお餅を作ります。甘くはありませんが、ゆでた小豆を餅にくっつけたもので、お祝いには欠かせません。

十五夜の飾り

十五夜の飾り

十五夜の飾りも地方によって異なっています。

和歌山の山間部では、稲穂と芋を結びつけた高い竿を庭先に立てる風習があるそうです。

できるだけ、お月様の近くにお供えしようと、高い竿を使ったのかもしれませんね。

秋田県男鹿市では、供え物のひとつに焼米があります。焼米は籾のまま煎って殻を取り、保存していたものでお湯で戻して食べるものです。

全国で一般的なお供えの飾りはどんなものだったのでしょう。

ススキ

ススキ

ススキは月の神様をお招きする依り代(よりしろ)として供えられます。

依り代とは、神様が依り憑くものを表しています。お祭りの依り代といえば、本来は稲穂となりますが、十五夜の時期には収穫前で稲穂がないことから、形が似ているススキが使われるようになりました。

このススキの本数は、奇数と決まっていて、5本を束ねて備えるのが一般的です。

ススキは魔除けになるといわれていて、お月見が終わった後も捨てたりしないで、庭や水田に差したり、軒先に吊るしたりします。

草花

ススキと合わせて、秋の七草を備えることもあります。

秋の七草とは、ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、オバナ、ナデシコになります。

その他、ワレモコウなども好まれて飾られています。

月見団子

月見団子

月見団子は、米の粉を練って茹でたり蒸したりして作ります。

十五夜には15個十三夜には13個のお団子を積みます。

その積み方にもやり方があります。

十五夜の積み方

  • 一段目に3個×3個の9個
  • 二段目に2個×2個の4個
  • 一番上に2個縦に並べます。

十三夜の積み方

  • 一段目に3個×3個の9個
  • 二段目に2個×2個の4個
  • 一番上には積みません。

ただし、積み方はこの方法だけでなく、その年の満月の数だけ積むといった地方もあります。

つまり、通常は12個、うるう年は13個となります。

また、地方によって形も様々です。関西では楕円形で先をとがらせたお団子にこし餡を巻き付けて里芋のように見せます。

静岡県中部では「へそもち」です。 丸くて平べったい形で、真ん中がくぼんでいます。

長野県の一部では枝豆の餡の「のたもち」や、小豆餡の「おはぎ」をお供えする風習があります。

収穫した野菜や果物

十五夜の時期にちょうど収穫期となる、サツマイモや里芋をお供えすることも多くなります。

また、ツル性の野菜や果物をお供えすると、お月様との繋がりが強くなり、縁起がいいといわれ、ツル性の豆やブドウをお供えすることもあります。

月見台

お月様が見えるところに小さな机を置きます。

お団子やお供え物の野菜・果物は、三方があれば使います。なければお盆や大きいお皿に半紙を敷いてお供えします。

たらい

地方によっては、月見台のそばにたらいに水を張って置きます。

お月様がたらいの水に映ると、そこまで下りてきて、ご馳走を食べてくれるといわれています。

十五夜の料理

里芋は、子芋、孫芋とどんどん増えることから、子孫繁栄を象徴しているということで、とてもおめでたい野菜といわれています。

十五夜の里芋料理としては、関東では「きぬかつぎ」、関西では「煮っころがし」や「みそ煮」にしてお供えします。

きぬかつぎは蒸したり茹でてそのまま塩や味噌で食べるものです。ここでは「きぬかつぎ」と月見団子の作り方を説明します。

きぬかつぎ

作り方

  1. 里芋はできるだけ形の揃ったものを選びます。
  2. よく洗います。
  3. 包丁の刃を芋の中央に当てて、芋をぐるりとまわして浅く切れ目をつけます。
  4. 蒸し器で15分ほど蒸します。
  5. 串を刺してみて、柔らかくなっていればOKです。
  6. 熱いうちに里芋を布巾で持ち、上半分の皮をくるりと回すと、皮が剥けます。
  7. 塩や味噌を添えて出来上がりです。
  8. ゆでた枝豆も一緒に盛り付けるといいでしょう。

月見団子

作り方

  1. 白玉粉(または上新粉)と砂糖を水でこねます。
  2. 粉と砂糖は10:1くらいにします。(粉100gなら砂糖10g)
  3. 粉に水を少しづつ加えて、耳たぶくらいの柔らかさにこねます。
  4. 適当な大きさにちぎって、丸めていきます。
  5. 沸騰したお湯に丸めた団子を入れます。
  6. 2~3分で火が通り、団子が透明になって、浮き上がってきます。
  7. 冷水に取ってさらします。
  8. 冷めたら、ザルにあげて、キッチンペーパーなどでしっかり水気を取ります。
  9. お皿に盛り付けます。
  10. 砂糖醤油、きな粉、餡などをつけて召し上がってください。

十五夜には、月見をイメージしたものとして、他にもおすすめのメニューがありますす。

お月様にちなんで、丸い形のミートボール、がんもどき、そして卵を使ったものであれば、多くのメニューがあります。

月見そば、月見うどん、月見とろろ、ハンバーグに目玉焼きを乗せても楽しいですね。

今年は、お月様と収穫に感謝してお月見パーティーをしてみませんか。


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