いつ家を買えばお得?住宅ローン減税・すまい給付金・金利について
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平成26年4月1日に消費税が8%になり、平成29年4月1日には消費税は10%になります。住宅などの大きな買い物では、消費税率が上がってしまうとその分の負担も大きくなってしまいます。住宅の買い時を見つけるのに、少しでも参考になればとまとめました。
家はいまのうちに買った方がいい?
消費税は現在8%です。平成29年4月1日からは10%になってしまいます。
住宅を購入するには消費税の税率が上がってしまのは、厳しいですよね。
ただし、消費税率が上がってしまっても、住宅がしっかりと売れるように、国ではいろいろと考えているのです。
住宅に関する国の制度などを、わかりやすく解説します。
住宅ローン減税
もうかなり前から、住宅ローン減税という制度があります。住宅ローン減税の制度は、住宅ローンの残高の一部を所得税や住民税から控除してくれるものです。
つまり、その分、住宅ローンが安くなるということになるのです。
そして、この制度は消費税が8%になったときに、大幅に拡大されているんです。
消費税が8%または10%の住宅とそうでない住宅で、適用される制度が異なります。
その差は次のとおりです。
消費税率 | 消費税率 5%又は非課税 |
消費税率 8%又は10% |
---|---|---|
最大控除額(10年間合計) | 200万円 (20万円×10年) |
400万円 (40万円×10年) |
控除率、控除期間 | 1%、10年間 | 1%、10年間 |
住民税からの控除上限額 | 9.75万円/年
(前年課税所得×5%) |
13.65万円/年
(前年課税所得×7%) |
主な要件 |
①床面積が50m2以上であること
②借入金の償還期間が10年以上であること |
大幅に拡大されたものとして、「最大控除額」を見れば一目了然です。平成26年4月から平成29年末までの控除額がなんと倍になっているのです。
例えば、5,000万円の家を買ったとすると、その消費税の増税分(5%から8%増税した分として)3%の分は、150万円になります。
最大控除額は200万円から400万円に増額されていますので、控除額が200万円増額になりました。
住宅ローン控除を全額使い切るのであれば、消費税が8%になってから住宅を購入した方が得するということなのです。
ただし、住宅ローン控除は住宅ローンの残高に対する割合で決まります。例えば、住宅ローンの残高が2,000万円であれば、その1%の20万円ということになります。
したがって、最大控除額は40万円になりましたが、10年間、控除額を最大に使うためには、10年後のローン残高が4,000万円残っていないとダメなんです。
10年後に4,000万円の残高があるという人は、あまりいないようにも思います。
この辺りの住宅ローン減税と住宅ローン残高については、住宅ローンを組む際に、銀行の融資担当の人としっかりと話し合った方がいいと思います。
金融のテクニックもあるようですので、住宅ローン減税を最大限に生かす方法を銀行の担当者がアドバイスしてくれると思います。
住宅ローン減税の要件
住宅ローン減税の対象となるには、住宅ローンの残高があるだけでなく、いくつか条件があります。
それは、次のようなものになります。
- 自らが居住すること
住宅を購入しても、投資目的などで居住しない場合は対象になりません。居住開始は原則として、住宅の取得から6ヶ月以内です。 - 床面積が50㎡以上
これには、バルコニーやテラスは含まれません。また、マンションの共有面積も含まれません。 - 中古住宅の場合、耐震性能(証明などが必要になります。)を有していること
・ 木造などの耐火建築物以外の建物の場合、築20年以内の住宅
・ 鉄筋コンクリートなどの耐火建築物の場合、築25年以内の住宅 - 借入金の償還期間が10年以上
- 年収が3000万円以下
- 増改築の場合、工事費が100万円以上
マンションについては、面積がバルコニーや共有面積を含めて50㎡を超えている場合でも、住宅ローン減税の対象とならない場合がありますので、注意してください。
また、中古住宅については、耐震基準を満たしている必要があります。うっかり住宅ローン控除に適用対象外だったなんてことがないように、注意しないといけません。
個人どおしの売買で中古の住宅を取得した場合は?
個人の売買では消費税はかかりません。したがって、新しい住宅ローン減税の適用はありません。
消費税率の引き上げ前の規定が適用されます。
住宅ローン減税の申請?
住宅ローン減税は、住宅を購入して居住を開始した年の翌年の確定申告で手続を行うことになります。
住宅ローン減税の確定申告の際に必要となる主な書類は次のものになります。
詳しいことはお近くの税務署で確認してください。
- 住民票の写し
- 住宅ローン残高証明書
- 登記事項証明書
- 請負(売買)契約書等
- 源泉徴収票
- 中古住宅の場合、耐震基準に関する証明書
住宅ローン減税の申告は初年度については、確定申告を行う必要がありますが、2年目以降は、給与所得者の場合、年末調整の中で住宅ローン減税の手続を行うことができます。
すまい給付金
すまい給付金は、消費税の引上げに伴って新しくできた給付金です。住宅を購入する人の消費税の負担を軽減するためにできた制度です。
住宅ローン減税は、収入が多い人の方が効果が大きい制度になっていますが、このすまい給付金は、住宅ローン減税の効果が十分でない収入の人にも消費税の負担軽減の効果がいき届くように作られています。
すまい給付金は、一定の要件にあてはまる人が対象となります。
また、住宅ローン減税を受けながら、すまい給付金を受け取ることもできます。
すまい給付金を受け取ることができる人
- 住宅が自分の保有するものであって、自分で居住する人
- 収入が一定以下の人
※なお、住宅ローンを利用しない人の場合は、年齢50歳以上の人が対象となります。
住宅が自分の保有するものであって、自分で居住する人
住宅の所有者とは、不動産登記上の持ち分の保有者ということになります。
また、自分で居住する人というのは、取得した住宅に住んでいるということが住民票で確認できる人をいいます。
収入が一定以下の人
収入が一定以下の人とは、消費税が8%かかっている住宅を購入した人については、収入がおよそ510万円以下の場合。
消費税が10%かかっている住宅を購入した人については、収入がおよそ775万円以下の場合というのが目安になります。
また、住宅ローンを利用しない人の場合は、消費税が10%かかっている住宅を購入した場合、収入の目安は650万円以下ということになります。
すまい給付金の対象となる住宅の条件とは
対象となる住宅についても、一定の条件があります。
- 引上げ後の消費税を支払っていること
- 床面積が50㎡以上
- 新築の場合、施工中に第三者の検査を受け、一定の品質が確認された住宅
- 中古住宅の場合、売買時に第三者の検査を受け、一定の品質が確認された住宅
消費税率が5%の場合や、個人売買により取得し消費税が非課税の場合は、給付金の対象とはなりませんので、注意してください。
すまい給付金の実施期間
平成26年4月から平成31年6月までに住宅が引き渡され、入居が完了した住宅が対象となります。
すまい給付金の給付額
収入によって、すまい給付金の給付額は異なります。
厳密にいうと、都道府県民税の所得割の金額と持ち分割合によって決まります。
給付額 = 給付基礎額(都道府県民税の所得割で決定) × 持分割合
都道府県民税の所得割とは、住民税の一部になります。
住民税は都道府県民税と市区町村民税のそれぞれの所得割と均等割の合計になりますので、都道府県民税の所得割はその一部です。
都道府県民税の所得割は、住民税全体の2/5くらいになります。
都道府県民税の所得割といっても、イメージしにくいと思いますので、モデルケースに基づく収入で表すことにします。
モデルケース(夫婦のみの世帯で、夫が就労し妻が専業主婦の場合)の基礎給付額
消費税が8%の場合
- 給与収入425万円(都道府県民税6.89万円)以下 … 基礎給付額30万円
- 給与収入425万円超 475万円以下(都道府県民税6.89万円超 8.39万円以下) … 基礎給付額20万円
- 給与収入475万円超 510万円以下(都道府県民税8.39万円超 9.38万円以下) … 基礎給付額10万円
消費税が10%の場合
- 給与収入450万円(都道府県民税7.60万円)以下 … 基礎給付額50万円
- 給与収入450万円超 525万円以下(都道府県民税7.60万円超 9.79万円以下) … 基礎給付額40万円
- 給与収入525万円超 600万円以下(都道府県民税9.79万円超 11.90万円以下) … 基礎給付額30万円
- 給与収入600万円超 675万円以下(都道府県民税11.90万円超 14.06万円以下) … 基礎給付額20万円
- 給与収入675万円超 775万円以下(都道府県民税14.06万円超 17.26万円以下) … 基礎給付額10万円
※神奈川県は住民税の所得割の税率が、他の都道府県と異なるため、上記の金額が少し変わります。ただし、大きく異なるものではないので、収入の目安としてはかわりません。
すまい給付金の申請方法と受け取り方
すまい給付金の申請は、基本的には住宅を取得した本人が行いますが、住宅事業者等による手続代行も認められています。
また、住宅事業者による手続の代行とあわせて、住宅事業者等による給付金の代理受領も認められています。
住宅事業者が手続を代行できるため、住宅を購入した人にとっては、手間が省けて、利便性が高いといえるでしょう。
ただし、申請してから、すまい給付金が給付されるまでは、およそ1か月半~2カ月程度かかるようです。
住宅の価格の変動
住宅の価格はさまざまな要因で決まってきますが、都市部においては、総じて上昇傾向にあります。
消費税の引き上げに関する住宅価格の変動
消費税の税率引き上げに関していえば、消費税率の引き上げ前の方が価格が高く、引き上げ後の方が、少し下がるといった傾向にあります。
消費税率の引き上げに際しては、住宅メーカーなども駆け込み需要を取り込もうとしますし、その分需要が上がって価格が上昇します。
逆に消費税率が上がってしまえば、駆け込み需要の反動で需要が下がってしまい、住宅価格も下がるという訳です。
消費税率の引き上げが住宅の需要に響かないようにと、国は手を打っていますが、そういった情報を正確に知らないために、返って損をしている消費者が多いようにも思います。
今後の住宅価格について
今後の住宅価格は、オリンピックを控えていることもあり、ある程度上昇していくと考えられます。
29年4月の消費税率10%への引き上げもあり、その前に住宅を購入しようという人も多いのではないでしょうか。
現状では、住宅価格は上昇傾向にあるので、早く買った方が安く買えるという面がありますが、消費税率10%への引き上げ時には、さらに住宅ローン減税や給付金の制度が手厚くなることも考えられます。
総合的にどうすべきか、その辺りの情報をしっかりと押さえて住宅の購入を考えた方がいいでしょう。
金利について
日銀がマイナス金利を導入し、長期金利が低下している状況にありますので、住宅ローンの金利も今後さらに下がっていくことが考えられます。
マイナス金利によって、銀行は手元に現金を置かないようにしたいので、金利を下げてでも貸出をしたい。特に住宅ローンの場合、住宅自体をしっかりと担保にできるので、優良な融資であり、そういう意味でも住宅ローンの金利がさらに低下することが期待できます。
まとめ
消費税の税率が上がりましたが、住宅に関していえば、国はかなり手厚くフォローしてくれていています。
今後の住宅価格の動向や、住宅ローンの金利を含めてトータルとして、いつ購入するのがいいのかを考えることが大切です。
消費税率が10%に上がるときの駆け込み需要が来る前、住宅価格の上昇が緩やかで、金利も低い。ひょっとしたら、今が最も買い時なのかもしれませんね。
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