パートやアルバイトも確定申告すると税金は戻ってきます!
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高校生や大学生がアルバイトをして給料をもらうと、所得税が引かれてたりします。そういうものかと思ってしまいますが、税金は1年単位で決まるものですので、戻ってくることが結構あります。税金の仕組みを簡単に説明しますので、しっかりと確定申告して税金を戻しましょう。
目次
給料にかかる税金とは?
そもそも、私たちが働いて得た収入にはどのような税金がかかるるのでしょうか。そこには大きく分けて二つの税金がかかります。
- 所得税 所得税は国に支払う税金です。
- 住民税 住民税は自分が住んでいる都道府県や市区町村に支払います。
私たちの収入からは、所得税と住民税が国と都道府県、市町村に対して支払う税金がかかっているのです。
そして、確定申告は、このうち国に支払う所得税を精算するための制度なのです。
所得税と個人住民税はどのように違うのでしょうか
住民税
住民税には大きく2つの特徴があります。
- 「賦課課税方式」であること。
- 「一定税率」であること。
賦課課税方式とは
「賦課課税方式」とは、賦課期日(各年の1月1日)に住民登録がされている市区町村が、私たちの収入などを調査して税額を決定する方式です。
したがって、基本的には市区町村が税額を計算するので、私たちが住民税の計算方法を知らなくても、問題はありません。
会社から給料をもらっている人、アルバイトの人も含めて、申告などは全く必要ありません。住民税の金額は市区町村が決めて、その金額が翌年のお給料から差し引かれることになります。
また、アルバイトの人などは一箇所で働き続けていない場合、通知がくることになります。
一定税率とは
住民税は一定の税率です。収入が多くても、少なくても、基本的に10%がかかることになります。
所得税
所得税は住民税と比べて、次のような特徴があります。
- 「申告課税方式」であること。
- 「累進課税」であること。
申告課税方式とは
自分で収入や控除を把握して所得税額を計算し、税務署に申告して納税する制度です。ここで必要になるのが、確定申告です。
ただし、会社から給料をもらっている人は違います。会社の給与担当の人が会社員の所得税を計算して、支払われる給与から所得税を差し引いています。そして、会社はまとめて税務署へ所得税を納めるのです。
年末調整とは
年末調整という言葉を聞いたことがある人がいると思いますが、年末調整とは確定申告と同様に1年間の精算を行うことで、その年の扶養状況や社会保険料の状況、1年間の給料などを確定させて、毎月給与から差し引かれていた税金との過不足を調整します。
年末調整も必要な書類を会社から提出するように言われると思いますので、その書類を提出すれば後は会社が勝手に精算してくれるのです。
累進課税とは
累進課税とは、収入が多いひと程、税率が高くなるというものです。ですから、高所得者はより多くの税金を払うことになります。
所得税の税率は次のようになっています。「課税される所得金額」は、給与所得者の場合は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額になります。
この表の見方は、例えば、350万円が「課税される所得金額」の場合、次のように計算します。
350万円 × 20% − 427,500円 = 272,500円
どういうことかと言うと、195万円までは0円、195万円から330万円までは10%、330万円から350万円までは20%ということになるのです。(累進税率とはそういうことです。)
ですので、税率をかけてから、控除額を差し引くという計算になります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4.000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
会社員やアルバイトも確定申告するの?
さて、会社員やアルバイトでも確定申告しなければいけないのでしょうか。会社員やアルバイトの人は基本的に所得税が給与から引かれていますので、確定申告をする義務はありません。
確定申告はしないでいいのですが、確定申告すると支払った所得税が戻ってくることが結構あります。
実は、私たちが給与をもらう時には、給与から所得税額がすでに引かれています。これを源泉徴収といいます。
所得税は、1年間の所得状況に応じて、税額が決まります。給料や支払った社会保険料(国民健康保険や年金など)、医療費や生命保険料、扶養している家族の数などによって税率が変わるため、1年経ってみないと正しい税額がわかりません。
このため、所得税は毎月の給与から少し多めに源泉徴収されています。正しい税額を計算して、払いすぎた分を返してもらうには確定申告をしなければいけません。
また、会社員であれば年末に扶養親族の状況や、生命保険料の控除証明書を会社提出する年末調整をしたことがあると思いますが、年末調整は会社が確定申告の代わりに所得税の精算をしてくれる制度です。
しかし、医療費控除などは年末調整ではできないため、医療費が10万円以上かかった翌年などは、確定申告をすると所得税が軽減されて、還付されます。
パートやアルバイトこそ確定申告しよう
例えば、夏休みなどの一定期間にアルバイトをしたとします。夏休みは期間が長く、アルバイトなどもかなりの時間になってきますので、かなり稼ぐ人がいるのではないでしょうか。
所得税の源泉徴収は、月額の給与などによって計算式が決まっていますので、一定額以上の給与を得ると所得税が源泉徴収されてしまいます。
しかし、年間で給与収入が103万円以下であれば、年間の所得税はかかりませんので、この場合、確定申告することによって、源泉徴収された所得税が戻ってくることになります。
103万円の壁?
なお、大学生などの場合、親御さんから103万円以上はアルバイトしてはダメ。などと言われた人はいないでしょうか。これはどういう意味かというと、次の2つの意味があるのです。
- 103万円以上になると、働いている本人に所得税や住民税がかかる。
- 親御さんの扶養から外れてしまい、親御さんの所得税と住民税が高くなってしまう。
ちなみに130万円くらいになると、所得税と住民税のほか、健康保険の扶養にも入れなくなってしまうことがあり、こうなると国民健康保険などの保険料を自分で払うことになるので、かなり出費が増えることになります。
アルバイトやパートのときの給与明細を確認しよう
いずれにしても、夏休みや冬休みの一時期しかアルバイトをしていない場合など、その時の給与明細を確認しましょう。そこに所得税と記載されていて、金額が引かれている場合は、その金額が戻ってくる可能性が高いです。
しっかりと確定申告して、支払ったしまった所得税を取り戻しましょう。
実際に確定申告をしよう
確定申告に必要な書類等は次のものです。
必要な書類
- 源泉徴収票(原本)
- 印鑑
- 還付金を振り込む口座番号、支店名などがわかるメモ等
源泉徴収票が手もとにない方は、会社の給与担当者に作ってもらいましょう。パートやアルバイトでももらえます。すでに辞めていても、その会社に連絡すればもらえます。
これらの種類を持って税務署へ行けば確定申告できるのですが、申告の時期はとても混雑しますので、国税庁の確定申告書作成コーナーなどのHPを利用するといいでしょう。
e-taxという制度があり、マイナンバーカードがあれば、電子で申告できるのですが、そうでなくても、HPにそって入力していけば確定申告書ができあがります。
できあがった申告書は郵送でも構いませんので、税務署へ提出すればOKです。
所得税が戻ってくる。所得税が下がる。その方法
では、所得税が戻ってくるのかどうか。
源泉徴収票の源泉徴収税額に金額が記載されていて、年間の給与収入が103万円以下であれば、源泉徴収税額は戻ってきます。
源泉徴収票の左側の「支払金額」に記載された金額が給与収入になります。複数の場所でアルバイトやパートをしている人は、すべての源泉徴収票の「支払金額」の金額を合計します。
この「支払金額」の合計額が給与収入となります。
給与収入が103万円以下の人
この給与収入が103万円以下の場合は、所得税は0円になりますので、「源泉徴収税額」の欄に金額が記載されている場合は、その金額が戻ってくることになります。
ちなみに、給与収入が103万円以下であっても、100万円を超えていると、住民税がかかってくることがあります。おおよそ年額で4,000円から10,000円ほどになります。住民税も払いたくない場合は、100万円以下に抑えてアルバイトをするといいでしょう。
給与収入が103万円を超えている人
給与収入が103万円を超えてしまっている人は、所得税が課税されてしまうのですが、源泉徴収されている金額では払い過ぎになっている可能性が高いです。
正社員などの会社員は、会社で年末調整をしてくれますが、アルバイトを点々とした場合などは、総額の年末調整をしてくれる人はいませんので、自分ですることになります。
また、国民健康保険を払っていたり、生命保険料を払っていたりする場合は、その分の一部が所得税から控除されますので、その書類も用意しておきます。
所得税から控除できるものは様々ですが、通常は次のものになると思います。次に該当する人は、必要な書類に基づいて確定申告書に記載することにより、所得税が減額となります。
もちろん、給与収入が103万円以下であれば、次の書類がなくても所得税はかかりません。
該当する場合に必要となる書類
- 国民健康保険料や介護保険料を支払っている人
年間納付額がわかるもの - 国民年金保険料を支払っている人
国民年金の控除証明書 - 生命保険料、個人年金、介護医療保険に加入している人
生命保険料、個人年金、介護医療保険などの控除証明書 - 学生
学生であることがわかるもの - 障害者手帳
- 医療費の領収書
医療費の自己負担額(家族の医療費を支払った場合も含みます。)が10万円以上の場合、10万円を超えた額が控除対象額となります。 - 住宅ローン控除関連書類など
国民健康保険や介護保険関連の書類は毎年6月ごろに世帯主宛に通知が送られます。なくしてしまった場合は市区町村の国民健康保険の窓口で確認してください。
国民年金の控除証明書は、社会保険事務所で無料で発行してくれます。ただし、11月ごろに本人宛てに送付されています。
生命保険関係の控除証明書は生命保険会社で無料で発行してもらえます。また、保険料を支払う時の領収書が証明書になっていることもあるのでとっておきましょう。
学生の証明書は専門学校生でもOKです。勤労学生控除が受けられます。
障碍者手帳は障害の程度がわかるもので、寝たきり証明書などでも大丈夫です。療育手帳や市区町村が発行した障害者手帳などが必要となります。
医療費の領収書は、例えば歯科医療の場合、自由診療(保険のきかない治療)であっても、特殊なものでなければ医療費控除の対象となります。詳しくは税務署へ確認した方がいいですが、自由診療のものでも、領収書は持っておいた方がいいですね。
感覚的には税務署は広く医療費控除の対象としてくれる感じがします。10万円以上医療費を支払っている場合は、10万円を超える部分の医療費について控除の対象となります。
まとめ
このように、確定申告という制度を知って、活用するだけで、かなりの金額が戻ってきますし、節税になります。
こういう知識はお金持ちほど活用しています。ちょっとバイトしたくらいで税金なんて戻ってこないでしょ。なんて、思っていないで、きちんと確定申告しましょう。
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